2002 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素曝露による肺高血圧とエンドセリンに関する研究
Project/Area Number |
14571056
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山村 英司 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90230531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
高橋 一浩 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50338969)
稲井 慶 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80318063)
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Keywords | 肺高血圧 / 低酸素暴露 / エンドセリン / マウス |
Research Abstract |
胎児期末期の肺動脈圧の調節におけるエンドセリンの動態を知り、低酸素暴露により生じる肺高血圧の発生機序を明らかにする目的で、正常マウスの新生仔を低酸素下で飼育した。低酸素環境は純窒素と圧縮空気の混合により正常大気圧の10%酸素混合気を作成し、混合気をケージに直接流し、出生直後から2週間に渡って母体とともに飼育した。麻酔下に屠殺した新生仔マウスの肺と心臓を一塊に取り出し、肺高血圧を評価するため、心臓は心房と大血管を切り離し、心室のみとなったものから右室の自由壁のみを切離し、湿重量を直接測定した。残りの中隔と左心室も同様に測定した。右心室自由壁と中隔+左心室の重量比を比較した。右室重量/(左室+中隔重量)は新生児であるため正常成獣の0.26(文献に比べて高値であったが、正常群では0.36±0.08であった。一方、低酸素暴露群では0.43±0.06とさらに高値であった。また、肺動脈はエタノール固定後にパラフィン包埋後、10μmの切片とし、中膜を弾性繊維染色で組織染色した後Yamakiらの方法にしたがって肺動脈の壁厚を測定した。有意に低酸素暴露群で壁の肥厚が認められた。以上のことから低酸素環境下で肺高血圧の遷延が維持されていることが判明し、正常の肺血管抵抗の低下の機序に関してエンドセリンに関する研究の基礎研究は終了した。この肺組織におけるエンドセリン抗体による染色を行っている。また、エンドセリン抗体の変動を測定するべくmRNAを抽出している。同時に血管のリモデリングに関与する物質(vascular endothelial growth factorとplatelet derived growth factor)についても蛍光抗体法を用いて染色を行っている。
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