2004 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学を用いた膵臓の発生分化機構の解明ならびに膵再生医療への応用
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14571067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 政壽 九州大学, 大学病院, 助手 (30315080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 泰二郎 九州大学, 大学病院, 助手 (40264030)
後藤 公宣 九州大学, 大学病院, 助手 (90284512)
柳瀬 敏彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30239818)
名和田 新 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10038820)
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Keywords | アクチビン / Smad2 / インスリン |
Research Abstract |
I.発生工学的手法を用いて、膵臓β細胞におけるアクチビン受容体・Smad2シグナルの機能を明らかにした。 1)Smad2コンディショナルノックアウトマウス(Smad2lox)を作成、ラットインスリンプロモーターを用いたCREトランスジェニックマウス(RIP-CRE)との交配で、膵β細胞特異的Smad2欠損マウス(Smad2βSTG)を作成した。糖負荷試験で耐糖能異常、インスリン分泌不全がみられ、単離ラ氏島でのGlut2蛋白の発現が著減していることがその原因の一つと考えられた。 2)[CAGプロモーター/loxP/EGFP/loxP/ActRIB cDNA/Iresbgeo]カセットを発現させたトランスジェニックマウスを作製した。次にRIP-CREとの交配で、膵β細胞特異的ActRIBトランスジェニックマウス(ActRIBCAβSTG)を作成した。このマウスは空腹時血糖が低く、インスリン値が高い傾向を示し、膵のインスリン含有量が増加していることが明らかとなった。以上2種類の膵β細胞特異的遺伝子改変マウスの機能解析の結果より、アクチビン受容体-Smad2シグナルは膵β細胞において、グルコース応答性、ならびにインスリン合成に関与していることを明らかにした。 II.マウスES細胞の膵β細胞への分化誘導:アクチビンIIA型/IIB型受容体遺伝子をホモに欠損するES細胞を作成し分化誘導を行ない、胚様体(EB)形成過程を比較した。野生型ES細胞ではsimple EBからcystic EB、beating EBへと分化し、胎児性心筋細胞、色素細胞などの出現を見た。一方アクチビンシグナルを欠損するES細胞ではsimple EBの段階で分化が停止し、内胚様(endoderm)の過発育が見られた。アクチビンシグナルが細胞自立的にcystic EB形成に不可欠であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)