2004 Fiscal Year Annual Research Report
GH分泌惹起物質受容体発現抑制トランスジェニックラットを用いた同受容体の機能解明
Project/Area Number |
14571077
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
芝崎 保 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00147399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畠 久幸 日本医科大学, 医学部, 助手 (80256924)
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Keywords | 成長ホルモン分泌惹起物質 / グレリン / グレリン受容体 / トランスジェニックラット / 褐色脂肪組織 / ノルアドレナリン / UCP1 / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
申請者らは成長ホルモン(GH)分泌惹起物質(GHS)/グレリンの受容体(GHSR)の機能を明らかにするために、tyrosine hydroxylaseのプロモーターの下流にGHSRのアンチセンスを挿入した導入遺伝子を用いて、視床下部弓状核のGHSR発現が抑制されたトランスジェニック(Tg)ラットを作成した。低体重、低体脂肪を示すこのTgラットを用いて、エネルギー代謝調節機序におけるGHSRの役割の解明を行ってきた。前年度は高脂肪食負荷に対するTgラットの反応を対照ラットと比較検討し、Tgラットではカロリー摂取の増加に伴う褐色脂肪組織中のUCP1遺伝子発現が対照ラットと比べて著明に増加し、白色脂肪組織の蓄積が抑制されることを明らかにした。この結果は、グレリン/GHSRが褐色脂肪組織の機能を抑制するように作用していることを示唆する。そこで、今年度はこの点を直接明らかにするために、無麻酔下のラットにグレリンを脳室内投与し、褐色脂肪組織のノルアドレナリンの分泌をマイクロダイアリシス法で測定した。対照ラットではグレリン投与によりノルアドレナリン分泌が有意に抑制された。これに対し、Tgラットではグレリンによるノルアドレナリン分泌抑制は認められなかった。褐色脂肪組織のUCP1発現は同組織中に分泌されるノルアドレナリンにより亢進することから、グレリンは中枢神経系よりの交感神経を介して褐色脂肪組織に抑制的に作用していることが明らかになった。さらに、GHSRの発現が抑制されているTgラットではグレリンのこの作用が阻害されているために、エネンルギー消費が高まり、痩せを呈していると考えられた。
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Research Products
(1 results)