2003 Fiscal Year Annual Research Report
PLCγとPP2CによるIRS-1 degradationの分子機構
Project/Area Number |
14571089
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
江川 克哉 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10335169)
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Keywords | PLCγ / PP2C / IRS-1 degradation / アデノウイルス |
Research Abstract |
我々は以前の報告のように、脂肪細胞のモデルである3T3-L1脂肪細胞をprotein kinase C (PKC)の上流に存在するphospholipase C (PLC)の阻害剤であるU73122で前処置すると、インスリンによる糖取込みが抑制されることを確認した。さらに野生型PLCγを発現するアデノウイルスを3T3-L1脂肪細胞に感染させPLCγを過剰発現させると、糖取込みがインスリン非存在下でPLCγ発現量依存的に亢進することを発見した。しかしPLCγ過剰発現はインスリン受容体やAktなどのインスリンシグナル蛋白の燐酸化にはあまり影響しなかった。現在PLCγが糖取込みを刺激する機序についてさらに検討中である。 またセリン/スレオニンフォスファターゼである野生型protein phosphatase 2C (PP2C)をアデノウイルスを用い3T3-L1脂肪細胞に過剰発現させると、インスリンによるIRS-1のdegradationが加速されることを発見した。さらにPP2CのiRNAを発現させることによりPP2C蛋白発現を抑制するとインスリンによるIRS-1のdegradationが抑制された。またPP2CによるIRS-1のdegradationの亢進はプロテアソーム阻害剤のラクタシスチンにより完全に抑制され、proteasomal degradationによることが確認された。さらにPI-3キナーゼの阻害剤であるワルトマニンにより部分的に抑制されPI-3キナーゼの関与が示唆された。現在さらに詳細なメカニズムを検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shimizu S, Ugi S, Maegawa H, Egawa K, et al.: "Protein-tyrosine phosphatase 1B as new activator for hepatic lipogenesis via sterol regulatory element-hinding protein-1 gene expression"J Biol Chem. 278. 43095-43101 (2003)