2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規に同定したインスリン依存性PDE3B結合蛋白によるPDE3B活性化機構の解明
Project/Area Number |
14571095
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大沼 裕 愛媛大学, 医学部, 助手 (00294794)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 春彦 愛媛大学, 医学部, 助教授 (90294800)
牧野 英一 愛媛大学, 医学部, 教授 (50009578)
|
Keywords | insulin / phosphodiesterase 3B / 14-3-3 β / 相互作用 / セリン燐酸化 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
Two-hybridにより同定したPDE3B結合タンパクは解析の結果、14-3-3β蛋白であることが明らかになった。マウスPBE3Bのtruncated mutantを作製しGST-14-3-3βを用いてGST pull down法により相互作用を検討した結果、マウスPDE3BはAA 223-636の領域で14-3-3βと相互作用することが明らかになった。ラット遊離脂肪細胞を用いて相互作用を検討した結果、この相互作用はインスリン依存性に増強されることが明らかになり、さらにこの相互作用の増強と共にPDE3B活性が増強されることが明らかになった。マウスPDE3BのAA 223-636の領域は既報のPDE3Bの燐酸化部位を含むことから、燐酸化と相互作用について検討した。ホスファターゼ阻害剤であるオカダ酸(100μM)で脂肪細胞を処理することによりPDE3Bの活性化と共に相互作用の増強を認めた。さらにPI3-kinaseの阻害剤であるワートマニン(l00nM)の前処理はインスリンによるPDE3Bの活性化および相互作用を完全に阻害した。 既報のPDE3B燐酸化部位の(ラットPDE3Bにおける279Ser、302Ser、427Ser)周囲のアミノ酸配列を含むペプチドのセリン燐酸化体及び非燐酸化体を作製し、これらのインスリン依存性相互作用の影響について検討した。279Ser、および302Ser周囲の燐酸化ペプチドによりインスリン依存性相互作用は阻害されそれらの非燐酸化体では阻害効果を認められなかった。 以上より、インスリンは脂肪細胞においてPI3-kinase依存性にセリン燐酸化を介しPDE3Bと14-3-3βとの相互作用を促進すること、さらにこの相互作用にはラットPDE3Bの279Ser、302Serの燐酸化が必須であることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)