2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内脂肪滴構成蛋白の発現制御機構の解明と生活習慣病治療戦略への応用
Project/Area Number |
14571099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生山 祥一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20184393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 義之 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10325475)
谷口 晋 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10311854)
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Keywords | 細胞内脂肪滴 / マクロファージ / メチルエステラーゼ / ADRP |
Research Abstract |
1.ADRP遺伝子の発現調節機構の解析 マクロファージ泡沫化に関与すると考えられる細胞内脂肪滴蛋白ADRPの発現調節について検討した。RAW264.7細胞をPMAで刺激するとADRPのmRNA発現が増加し、actinomycin Dで完全に阻害された。マウスADRP遺伝子promoterのluciferaseリポーターで活性を測定すると、-2090〜-2005bpの領域にPMAの作用点を認めた。この領域内のPEA3/AP-1複合配列のPEA3またはAP-1配列を変異すると、PMAによる増強効果が減弱した。この配列をprobeにしてゲルシフト解析を行うと、PMA処理細胞の核蛋白で増強する特異的bandを認めた。このbandはAP-1配列で完全に競合され、c-Fos抗体によりsupershiftしたことから、Fos family蛋白により形成されたものである。以上よりマウスRAW264.7細胞のADRP遺伝子発現はPMAにより増強し、この作用にはPEA3/AP-1複合配列が関与していることを示した。 2.ADRPと共役する蛋白およびADRP関連蛋白の探索 ADRPの機能を解析するために、ADRPと共役する蛋白をyiest two-hybrid法で単離した。この蛋白はprotein phosphatase 2A methylesterase-1(PME-1)と同一であり、真核細胞ではこれまでに明らかにされている唯一のmethylesteraseである。PME-1は脂肪細胞の分化過程でADRPに並行して発現してくることを確認しており、今後、その機能解析を通じて細胞内脂肪滴との関連を追求したい。一方、ADRPと構造の類似した蛋白を探索する目的で、心筋および脳のcDNAライブラリーをスクリーニングしたが、得られたクローンはいずれもADRPそのものであり、これらの組織における細胞内脂肪滴蛋白はADRPが主であると考えられた。
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Research Products
(1 results)