2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内脂肪滴構成蛋白の発現制御機構の解明と生活習慣病治療戦略への応用
Project/Area Number |
14571099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生山 祥一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20184393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 晋 九州大学, 大学病院, 助手 (10311854)
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Keywords | 細胞内脂肪滴 / ADRP / マクロファージ泡沫化 / PPAR / AP-1 / PU.1 |
Research Abstract |
adipose differentiation-related protein(ADRP)は肝細胞やマクロファージ(MΦ)を含む種々の細胞に発現し、多くの組織で細胞内脂肪蓄積に関わる。マウスMΦRAW264.7細胞をPMAで刺激するとADRP mRNAの発現が有意に増加した。この細胞でADRP遺伝子のpromoter活性を測定すると、-2090〜-2005 bpの領域にPMAの作用点が見出された。この領域に存在するPU.1/AP-1複合配列りPU.1 site及びAP-1 siteを変異すると、変異promoterではPMAによる増強効果が低下した。ゲルシフト解析(EMSA)より、MΦではこの複合配列にPU.1とAP-1が協調して結合することがpromoter活性発現に重要であると判明した。一方、マウス肝細胞NMuLi細胞では、PPARγリガンドによりADRP mRNAの発現が増強した。この細胞におけるpromoter解析で-2090〜-2005bpにPPARγの作用点を見出したが、明らかなPPAR応答配列はみられなかった。しかしPU.1/AP-1複合配列を変異すると、promoter活性のPPARγリガンドへの応答性が減弱し、さらに、EMSAではPPARγリガンドで処理した細胞の核蛋白でAP-1による複合体形成が増強した。PPARγリガンドによるADRP mRNA発現増強効果はPI3 kinase阻害剤で阻害されたが、PKC阻害剤やMEK阻害剤では阻害されなかった。従ってPPARγはPI3 kinaseを介してAP-1活性を増強し、ADRP遺伝子発現を増強すると考えられた。 ADRP遺伝子はPU.1/AP-1複合配列を介して組織により異なる機序で制御されている。ADRPの組織特異的制御を介して、過剰な細胞内脂肪蓄積の病態への介入が可能になるかもしれない。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Imamura M, Inoguchi T, Ikuyama S, Taniguchi S, (3名): "ADRP stimulates lipid accumulation and lipid droplet formation in murine fibroblasts"Am J Physiol Endocrinol Metab. 283. E775-E783 (2002)