2003 Fiscal Year Annual Research Report
常温体外循環開心術におけるNafamostat Mesilate投与下エンドトキシン吸着法によるサイトカイン誘導抑制と臓器障害軽減効果に関する研究
Project/Area Number |
14571123
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
竹吉 泉 群馬大学, 医学部, 講師 (60272233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 群馬大学, 医学部, 助手 (20292584)
森下 靖雄 群馬大学, 医学部, 教授 (40145470)
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Keywords | 常温体外循環 / エンドトキシン吸着 / サイトカイン / 臓器障害 |
Research Abstract |
近年、開心術においてblood cardioplegiaをはじめとする心筋保護法の進歩と共に、常温体外循環が選択されつつある。これは、低体温体外循環に比べて、末梢循環不全や凝固機能障害等が少ないためとされている。しかし、常温体外循環では、低体温体外循環に比べ炎症性サイトカインが多く放出され、それによる心、肺などの臓器障害が懸念される。そこで、アナンダマイドなどを吸着するとされるポリミキシンB固定化カラムを体外循環に組み合わせて使用し、その有用性を検討した。【方法】体重約25kgの豚を用い,血液800ml輸血下に体外循環を確立した.実験を,常温体外循環を行ったcontro1群と,常温体外循環下にエンドトキシン吸着を行ったPMX群との2群に分けた.大動脈遮断後,速やかにblood cardio plegiaを15分毎に2分間ずつ注入した.大動脈遮断時間は34分とし,体外循環離脱後2時間まで観察し,心機能を測定,動脈血液を採取した.PMXは80ml/minで体外循環確立時より実験終了まで行った.遮断解除後心室細動を生じた場合電気的除細動を施行し,心拍再開後は100/minでVVI pacingを行い,DOA5γを持続点滴した.心機能は体外循環前からの回復率(%)で示し,動脈血液ガスは体外循環前後の数値を比較した.【結果】Emax,LVP,CO,-LVdp/dtはPMX群でcontrol群に比べ改善した.PaO_2(mmHg)は離脱2時間後では,PMX群が良好な値を示した.IL6,IL-8は体外循環前それぞれ基準値以下だったが,離脱2時間後にPMX群で低い傾向にあった.【まとめ】引き続き実験を継続するが,常温体外循環でもポリミキンシンB固定化カラムによるエンドトキシン吸着を行うことにより,虚血再灌流傷害を抑制し,心・肺の臓器障害を軽減した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大木 茂, 竹吉 泉, 小池 則匡, 松本光司, 森下靖雄: "常温体外循環開心術におけるエンドトキシン吸着の有用性"目本臨牀外科学会雑誌. 64・増刊号. 401 (2003)
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[Publications] 大木 茂, 竹吉 泉, 小池 則匡, 松本光司, 森下靖雄: "常温体外循環開心術における虚血再灌流障害-ポリミキシンB固定化カラムを用いた直接血液灌流法"Jpn J Thorac Cardiovasc Surg. 51・増刊. 228 (2003)
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[Publications] 大木 茂, 竹吉 泉, 小池 則匡, 石川 進, 松本光司, 森下靖雄: "常温体外循環開心術におけるポリミキシンB固定化カラムを用いた直接血液灌流法"日本救急医学会雑誌. 14・10. 597 (2003)
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[Publications] 大木 茂, 竹吉 泉, 小池 則匡, 松本光司, 森下靖雄: "ポリミキシンB固定化カラムは常温対外循環開心術のデメリットを克服できるか?"日本心臓血管外科学会雑誌. 32・Suppl. 335 (2003)