2004 Fiscal Year Annual Research Report
移植臓器における慢性拒絶反応のメカニズム解明と早期診断法の開発
Project/Area Number |
14571154
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小山 勇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60178390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 光男 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20200165)
小川 展二 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60286044)
高橋 公一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40306311)
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Keywords | 慢性拒絶反応 / 免疫抑制薬 / メタロプロテアーゼ / TGF-β |
Research Abstract |
慢性拒絶反応において、TGF-β及びメタロプロテアーゼがどのように関与し、それらが慢性拒絶反応の早期診断に役立ちうるかを見出すことが本研究の目標である。すでに、動物心臓移植のモデルにおいて、シクロスポリンおよびタクロリムスなどのカルシニューリン阻害薬を投与することにより、慢性拒絶反応と考えられている冠動脈硬化性病変が発現することが確認されているが、これに代謝拮抗薬であるミゾリビンを投与することにより、冠動脈硬化性病変が軽減している。動物モデルにおけるTGF-βおよびMMP2の値は炎症の影響が大きく、有意なデータが得られなかった。平成16年度は主に臨床の腎移植の患者のうち、移植後1年以上経過している症例において、血中のTGF-βとMMP2を測定した。腎機能安定群では、TGF-βは4.51μ/dlであったのに対し、腎機能低下群では9.26であり、腎機能低下群において高い傾向が認められた。一方、MMP-2は腎機能安定群において1017、腎機能低下群において907.8と有意な結果は得られなかった。このことから、移植後慢性期においてTGF-βを測定することはある程度有効であることが確認された。腎機能悪化症例もしくは機能廃絶腎で免疫染色を行ったが、血中で確認できたTGF-βとMMP-2の差は認められなかった。TGF-βとMMP-2は慢性拒絶反応において重要な働きを担っていることは間違いないが、単なる血中濃度のみでは慢性拒絶の進行のおおよそを捕らえても、治療につながる詳細な病態を把握することが困難であると判明した。
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Research Products
(3 results)