2003 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるヒト内因性物質融合蛋白によるターゲッティング療法の開発
Project/Area Number |
14571156
|
Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20216261)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻賀 創太 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00327529)
|
Keywords | ECP / EGF / targeting therapy / 内因性物質 |
Research Abstract |
Eosinophil cationic protein (ECP)はRibonuclease (RNase) familyのひとつであり、岡山大学工学部の妹尾昌治博士によりそのヒト型リコンビナント蛋白が作成された。架橋剤であるSPDPと2-iminothiolaneを用いてヒトepidermal growth factor (EGF)とSS結合にて架橋した。EGF-ECP conjugateはEGF receptor過剰発現乳癌細胞株BT-20に対して用量依存性に殺細胞効果を示し、そのIC_<50>は1.5x10^<-7>Mであった。ECP単独投与ではBT-20に対する効果は10^<-6>Mの高濃度でも認められなかった。EGF receptor非発現株であるH69に対しては、conjugateは10^<-6>Mの高濃度でも効果を示さなかった。また、過剰量のEGFを投与することにより、conjugateのBT-20に対する効果は阻害された。さらに細胞株のEGF receptor発現程度とconjugateの殺細胞効果の間に相関関係を認めた。これらのことより、EGF-ECP conjugateの効果はEGF receptorを介していることが示唆された。 アドリアマイシン(ADR)は乳癌治療における最も有効な抗癌剤のひとつであるが、しばしば耐性の出現が問題となる。そこで、従来の抗癌剤と全く異なるメカニズムをもつanti-cancer agentとして、Epidermal Growth Factor(EGF)とRibonuclease(RNase)とのconjugateを作製し、ADR耐性MCF-7細胞に対する効果を検討した。(対象と方法)EGFとRNaseをSPDPと2-ITを用いてSS結合で架橋した。Scatchard analysisでADR耐性MCF-7細胞のEGF Receptor(EGFR)数を計測した。ADR耐性MCF-7細胞に対する殺細胞効果をMTT assayで検討した。(結果)ADR耐性MCF-7細胞のEGFR数は1X10^4/cellであった。EGF-RNase conjugateはADR耐性MCF-7細胞に対して用量依存性に殺細胞効果を示したが、EGF単独、RNase単独、両者の混合物はほとんど効果を示さなかった。(結語)抗癌剤耐性乳癌に対してもEGFR発現陽性ならばEGF-RNase conjugateは有効である可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Jinno et al.: "The cytotoxicity of conjugate composed of human EGF and ECF"Anticancer Res. 22. 4141 (2002)
-
[Publications] H.Jinno et al.: "Epidermal Growth Factor-Ribonuclease Fusion Protein : Cytotoxicity against Adriamycin-Resistant Human Breast Cancer Cells"Proc Am Assoc Cancer Res. 43. 88 (2002)
-
[Publications] H.Jinno et al.: "Selective cytotoxicity of human angiogenin conjugated to human EGF against EGFR-overexpressing cancer cells"Proc Am Assoc Cancer Res. 未定. (2004)