2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性甲状腺癌・乳癌の新しい遺伝子診断法の確立、全国登録と予防的手術
Project/Area Number |
14571158
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高見 博 帝京大学, 医学部, 教授 (10146714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福富 隆志 国立がんセンター研究所, 主任研究員
池田 佳史 帝京大学, 医学部, 講師 (20222870)
小平 進 帝京大学, 医学部, 教授 (00110015)
亀山 香織 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10245467)
三木 義男 癌研究会, 癌研究所・遺伝子診断部, 主任研究員 (10281594)
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Keywords | 甲状腺髄様癌 / RET癌遺伝子 / 遺伝性乳癌 / 癌遺伝子検査 / BRCA遺伝子 |
Research Abstract |
すでに、遺伝性甲状腺髄様癌の家系32例に関し、保因者診断、家族のRET遺伝子検査を行なった.これらを手術結果を対比させている.発端者は進行している髄様癌が多く、リンパ節転移は100%に見られた.しかし、RET遺伝子検査で検出され手術を行った患者ではリンパ節転移に見られない症例もあり、完治が期待される。また、血清カルシトニン値の基礎値、カルシウム負荷値も正常域に属していた.遺伝子変異では約60%を占めるエクソン11、コドン634はやや悪性度が高く、そのうちアルギニン変異のものは副甲状腺病変、褐色細胞腫を合併しているものが多かった.腫瘍径では5mm以下が25%にみられ、RET遺伝子検査の有用性が発揮された. 全国の468施設に1995年度よりの遺伝子髄様癌のアンケート調査を行った、また、集計中であり、統計学的処理はなされていないが、RET遺伝子検査で発見された症例は10%に過ぎず、日本ではその検査法がすぐれているにもかかわらず、遺伝子検査の普及率は低いと考えられた.また、予後に関しては家族性非MEN髄様癌が最もよく、ついでMEN2A,散発性髄様癌、MEN2Bとなった.これは外国の大規模検査と同様である。 遺伝性乳癌についても、BRCA1,BRCA2を測定し、同様の検索を行いつつあるが、症例数が少なく(BRCA陽性乳癌が少ない)、推計学的処理をするに至っていない.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroshi Takami: "Medullary Thyroid Carcinoma and Multiple Endocrine Neoplasia Type 2"Endocrine Pathology. Vol.14 No.2. 123-131 (2003)
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[Publications] 亀山 香織, 高見 博: "遺伝性甲状腺髄様癌の臨床とRET遺伝子:第35回 甲状腺外科研究会アンケートより"ENDOCRINE SURGERY. Vol.20 No.4. 395-400 (2003)