2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規免疫制御因子EBAG9の、肝細胞癌進展および移植免疫に果たす役割の検討
Project/Area Number |
14571181
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三木 健司 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10242059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
今村 宏 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00283268)
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Keywords | EBAG9 / 肝細胞癌 / 脱分化 / 腫瘍増殖 / multistep tumor progression / 移植免疫 / 急性拒絶反応 |
Research Abstract |
1)EBAG9発現と肝細胞癌(HCC)進展との相関の検討 前年度から継続して、東京大学医学部附属病院肝胆膵外科で外科切除を行ったHCC症例の切除標本を用い、HCCにおけるEBAG9の発現を免疫染色およびWestern blottingにて検討した。またその発現の状況と、臨床病理学的因子、患者の無再発予後との相関を検討した。その結果、癌組織でのEBAG9発現増強は、腫瘍の脱分化、および増殖能の獲得(Ki-67 labeling indexを用いた評価)と有意に相関していることが示された。一方、腫瘍の脈管侵襲や肝内転移、さらには患者の無再発生存期間とEBAG9の発現状況との間には相関は認められず、従って、EBAG9の発現増強は腫傷の転移能獲得とは直接は相関していないことが示唆された。すなわち、HCC進展の多段階プロセスにおいて、EBAG9発現の増強は中期のイベントであると考えられた。この結果を論文にまとめ、European Journal of Cancer誌上に発表した(Eur J Cancer 2003;39:1552-1561)。 2)EBAG9発現と移植免疫との相関の検討 EBAG9がTリンパ球をアポトーシスに誘導することが以前報告されており、その点を踏まえ、移植後の急性拒絶反応の抑制にEBAG9が用いられないかを検討した。移植後2週間以内に致死性の急性拒絶反応が生ずることが知られているDAラットからLewisラットへの肝移植モデルを用いた。Lewisラットに、EBAG9を導入したアデノウィルスを静注したところ、EBAG9が肝臓に発現したため、移植直後のレシピエントラットにEBAG9導入アデノウィルスを静注して、急性拒絶が抑制されるかどうかを検討した。しかし、これまでの実験では、急性拒絶は抑制されず、生存期間も延長していない。手術件数も少ないため、結論を得るには今後も検討が必要と思われた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aoki T, et al.: "EBAG9/RCAS1 expression inhepatocellular carcinoma : correlation with tumour de differentiation and proliferation."European Journal of Cancer. 39・11. 1552-1561 (2003)
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[Publications] Imamura H, et al.: "One thousand fifty-six hepatectomies without mortality in 8 years."Archives of Surgery. 138・11. 1198-1206 (2003)