2003 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌におけるPPP1R3(PP1蛋白質)遺伝子の解析
Project/Area Number |
14571185
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Research Institution | Faculty of Medical Sciences, University of Fukui |
Principal Investigator |
山口 明夫 福井大学, 医学部, 教授 (10174608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五井 孝憲 福井大学, 医学部, 助手 (60225638)
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Keywords | PPP1R3遺伝子 / 大腸癌 / Protein phosphatase |
Research Abstract |
ホスファターゼ蛋白質の1つであるPPP1R3遺伝子は染色体7q31に位置され、Protein phosphatase 1(regulatory 3)をコードしている。近年、ホスファターゼ蛋白質の不活性化が細胞分裂ならびに細胞増殖系に異常をきたすことが報告されている。今回大腸癌におけるPPP1R3遺伝子異常について検討した。 【方法】対象は切除手術を施行した大腸癌症例50例。検討方法は(1)大腸癌原発巣および隣接正常組織からRNAを抽出後、SSCP、DNAシーケンスをおこないPPPIR3遺伝子変化について検討した。(2)遺伝子変化の認められたexonのdeletion mutantを作製後、核内転写活性(fos luciferase actuvity)を検討した。 【結果】(1)SSCP解析において大腸癌症例50例中6例(12%)に異常が認められ、DNAシーケンスにおけるPoint mutation検索では4症例はexon4,2症例はexoh 1に認められた。(2)PPP1R3 full遺伝子、exon1 deletion mutantを細胞内に導入するとfos luciferase actuvityの活性化がみとめられたが、exon4 deletion mutantでは活性化は認められなかった。 【総括】PPP1R3遺伝子の変異が大腸癌症例に認められ、また核内転写活性に影響を及ぼすことが認められたことより、大腸癌においてProtein phosphatase 1(regulatory 3)蛋白質は細胞内プロセスを制御する遺伝子であることが示唆された。
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