2004 Fiscal Year Annual Research Report
先天性胆道拡張症における胆管の神経構造ならびに機能からみた胆管拡張原因の研究
Project/Area Number |
14571191
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 久実 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60184321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 健一朗 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (90335042)
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Keywords | 先天性胆道拡張症 / 胆管拡張 / ヒルシュスプルング病 / Whole-mount標本 / hypoganglionosis |
Research Abstract |
1.先天性胆道拡張症(以下本症)の胆管壁、ならびに胆嚢壁における神経線維構築をwhole-mount標本を用いて立体的に観察し、本症における特異的な胆管拡張の原因について考察した。 2.本症の胆管ならびに胆嚢を手術的に採取し、これをザンボニ液で数日間固定した後、実体顕微鏡下で粘膜、粘膜下組織、線維筋層を順次剥離し、外膜の表面近くに存在する胆管壁神経叢を、神経の汎用マーカーである抗PGP9.5抗体に浸漬してStreptoavidin-biotin-peroxidase法による免疫組織染色を行った。 3.このようにして作製したwhole-mount標本における神経叢の網状構造と神経節の分布、ならびに神経節間を結ぶ一次線維を、デジタルカメラDP50-MACDに取り込みコンピューター処理を行ってその数と大きさを比較検討した。 4.その結果、本症の胆管は胆道系に異常のない対照胆管に比較して神経細胞数が有意に少なく、神経のネットワークは粗であり、神経細胞の集団からなる神経節の存在がまばらでその大きさも非常に小さいことが明らかとなった。他方、胆嚢においては、神経叢の網状構造や神経節の発達程度には大きな差は見られなかったが、神経節細胞が対照胆嚢に比して少なかった。 5.以上の結果から、本症ではヒルシュスプルング病のように胆管の蠕動運動が正常に機能できないために、胆汁の排泄障害を来した結果胆管の拡張を来したと考えられた。
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Research Products
(6 results)