2002 Fiscal Year Annual Research Report
胆道閉塞によって障害された臓器・免疫機能の回復に対する胆道ドレナージの効果
Project/Area Number |
14571192
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 利幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 順一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70194975)
梛野 正人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20237564)
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80126888)
小田 高司 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30311715)
西尾 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30345897)
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Keywords | 閉塞性黄疸 / 感染免疫 / IL-10 / IL-12 / kupffer細胞 / パイエル板 / 胆汁内瘻 / bacterial translocation |
Research Abstract |
A.マウス閉塞性黄疸モデルにおける感染免疫の異常 (1)閉塞性黄疸マウスに対する細菌感染 1.マウス(C57/BL6>胆管結紮(BDL)による閉塞性黄疸モデルを確立。2.BDL5日目に大腸菌を腹腔内投与すると、shamマウスでは感染5日目に、腹腔・肝・脾において細菌がすべて排除されたのに対して、BDLマウスの細菌排除は著明に遅延した。3.BDLマウスでは、細菌感染1-3時間後、肝組織・Kupffer細胞のIL-142、IFN-γ mRNAの発現低下とIL-140 mRNAの過剰発現が見られた。血漿でも細菌感染1-3時間で、IL-140が増加し(1620±420pg/ml vs 722±280:sham)、IL-12が減少(334±38pg/ml vs 2007±480:sham)した。以上より、閉塞性黄疸マウスの細菌排除能の低下には、肝における過剰なIL-10の産生とIL-12、IFN-γの産生低下によるKupffer細胞の機能低下が関与していると考えられた。 (2)閉塞性黄痘マウスにおける腸管免疫 1.BDL 3日目以後、腸内細菌が肝臓、腸間膜リンパ節で確認された。2.BDL 1日目以後、小腸パイエル板の萎縮が認められ、これは、B-cellのapoptosisによることか、免疫染色、flow cytometerによって証明された。これを反映して、糞便中のIgAがBDL 3日目以後shamに比して有意に低下していた。以上より、胆管閉塞によるパイエル板の萎縮とbacterial translocationとの関係が示唆された。 B.マウス閉塞性黄疸解除モデルの作製 1.BDL5日目に再開腹して.胆汁内瘻とするモデルを作製した(マウスの胆汁内瘻化モデルの報告はほとんどない)。2.胆汁内瘻化2日目には、減少した体重(正常の80%)がほぼ術前値に回復した。今後は、肝に浸潤した炎症細胞のprofileとそれらの免疫応答における役割、また上記Aの現象の回復過程を経時的に解明する予定である。
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