2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨随由来細胞移植による潰瘍性大腸炎治療の実験的研究
Project/Area Number |
14571214
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
星野 豊 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30295414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
寺島 雅典 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (40197794)
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Research Abstract |
大腸粘膜腺管細胞へ分化誘導可能な骨髄細胞中の幹細胞を誘導、潰瘍性大腸炎の治療に応用できるかどうかを検討することを目的とし、B6マウスを用いて潰瘍性大腸炎モデルを作成、大腸粘膜細胞の再生における骨髄細胞の関与について検討している。 方法:B6マウスの体重を測定後B6マウス及びキメラマウス(B6マウスをレシピエントとし,1200cGy放射線照射後にグリーンマウスから分離した骨髄細胞を移植したもの)に4%dextran sulphate sodium(DSS)を7日間経口投与し潰瘍性大腸炎モデルを作成する。投与終了後より1,3,7,14,28日目にそれぞれ3匹ずつ屠殺し、全大腸を摘出、屠殺時の体重、下痢、血便の有無を記録、摘出した大腸の凍結切片、パラフィン切片を作成し、検鏡する。 現在までの結果:B6マウスでは、3日目には粘膜上皮の欠損、消失、疲弊が散在性に認められ、粘膜固有層ではcryptの消失および好中球、リンパ球を主とした炎症性細胞浸潤が広範囲に認められた。粘膜下リンパ節腫大も認めた。6日目には粘膜のびらん、潰瘍は再生され、粘膜固有層のcryptもほぼ正常と思われるまで回復し、炎症性細胞浸潤も認められなくなった。7日目には粘膜欠損部には正常粘膜からの移入、あるいはcryptから供給されたと考えられるような細胞の浸潤が認められ、粘膜再生にある段階と考えられた。また粘膜損傷を受けたと考えられる部位の固有層には軽度の炎症性細胞を認めた。 一方キメラマウスについては評価に耐えうる生存例がまだ得られていない。今後検討予定である。
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