2002 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌に対する低侵襲手術「鏡視下食道切除・再建術」の確立と展開
Project/Area Number |
14571229
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
井上 晴洋 昭和大学, 医学部, 助教授 (90280966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 俊吾 昭和大学, 医学部, 助手 (10223687)
梅沢 昭子 昭和大学, 医学部, 助手 (20338453)
吉田 達也 昭和大学, 医学部, 助手 (00338526)
工藤 進英 昭和大学, 医学部, 教授 (70161643)
田中 淳一 昭和大学, 医学部, 助教授 (30171763)
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Keywords | 低侵襲手術 / 鏡視下食道切除再建術 / 食道癌 / HALS / 胸部食道癌 / 胸腔鏡下手術 / 腹腔鏡下手術 |
Research Abstract |
食道癌に対する低侵襲手術を確立することを目的として、1997年に鏡視下食道切除・再建術(HALS併用)の本邦第一例(世界第1例)を施行した。その患者さんは5年経過した現在も健在で1年に2回、元気に外来通院中である。これまでに、本術式を35例に施行している。手術死亡や重篤な合併症は認めない。基本的な手術主技は既に確立しており、手技も一定化している。すなわち、「HALSによる胃管再建術」を先に実施して、ひきつづき、「胸腔鏡下食道切除術」をおこなう。手術時間も当初は11時間位を要したが、現在では6時間と短縮している。最近の7例は手術後、2-3週で退院している。 食道癌に対する治療成績の向上を目的として、進行食道癌に対する治療体系の中心に「鏡視下食道切除・再建術」をおき、手術の前に「neo-adjuvant chemotherapy」を施行し、手術のあとには「radio-chemotherapy」を施行している.患者さんのQOLを保つ意味でも、治療の間には退院期間をおいている.すなわち、neoadjuvant chemotherapyを入院中(1W)に行ない,その間に術前検査をおこなう.その後退院して、3W目に再度入院し、「鏡視下食道切除再建術」を施行.約1ヶ月弱で退院して外来フォロー.手術後2ヶ月めに、再度入院してchemo-radiotherapyを施行する.以上のような、レジメンに従うと、比較的ゆったりしたスケジュールのなかで、また、従来の大開胸開腹の手術に比べても、手術侵襲が少ないと考えられる. 以上のように、「鏡視下食道切除・再建術」はその手技も確立され、手術時間も6時間位に短縮されてきている.展開として、neoadujant chemotherapyと術後のchemoradiotherapyとのコンビネーションの中に位置付けられてきている.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 井上晴洋, 工藤進英: "食道癌に対する鏡視下食道切除・再建術"日本気管食道科学会報. 53. 61 (2002)
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[Publications] Yoshida T, Inoue H, et al.: "Newly developed 3D endoscopic systeme : preliminary experience"Endoscopy. 35. 181-184 (2002)
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[Publications] Kumagai Y, Fukami N, Inoue H: "Dynamism of tumour vasculature in the early phase of cancer progression : outcomes from oesophageal cancer research"THE LANCET Oncology. 3. 604-609 (2002)
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[Publications] Inoue H, Fukami N, Yoshida T, et al.: "Endoscopic mucosal resection for esophageal and gastric cancers"J Gastroenterol and Hepatol. 17. 382-388 (2002)
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[Publications] Roy MS, Friedland S, Chang K, Inoue H: "Endoscopic mucosal resection -application in the upper gastrointestinal tract"Practical gastroenterology. 66-74 (2002)
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[Publications] 井上晴洋, 吉田達也, 岩下方影, 他: "拡大内視鏡による食道癌の病期診断"消化器内視鏡. 14. 565-572 (2002)
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[Publications] Inoue H, Kudo S: "Gastroenterological endoscopy"Thieme. 777 (2002)