2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571241
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
梅本 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70138022)
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Keywords | 大腸癌 / 肺転移 / 接着因子 |
Research Abstract |
まず、同系動物由来の腫瘍細胞の肺転移形成に対するcimetidineの作用と、ヒト大腸癌細胞のnude mouse肺転移形成に対するcimetidineの作用とを検討した。Cimetidineの転移抑制効果の根拠として1)血管内皮細胞表面での接着因子(E selectin)の発現抑制、2)killer T-cellなどの関与する免疫機能亢進の2つを想定した。 実験動物として雄BALB/cマウスと雄BALB/c nudeマウスを使用した。各cageの収容マウスを4匹から8匹とし、飼料は自由に与え、飲水量を2日おきに測定した。Cimetidineは注射用製剤を飲水中希釈投与とし、各cage毎に投与濃度を調整した。策定投与量は0〜160mgkg/dayであった。使用した腫瘍株はBALB/cマウス由来大腸癌株であるcolon26とヒト大腸癌株でsialyl Lewis X発現度の高いHT-29である。腫瘍細胞のsingle cell suspensionを作成し、細胞密度は10^2/mlから10^4/mlまで10倍づつ希釈し、各々0.1mlをマウス尾静脈から緩徐に注入した。各群は原則として8匹とし、腫瘍細胞注入後6週と12週に半数づつ屠殺し、体重、肺転移の個数、転移巣の大きさ、脾臓重量を測定した。 つぎに5FUの同様肺転移形成に対する効果を検討した。腫瘍細胞株、実験動物と飼育方法は同じとした。5FUは腹腔内投与とし、投与量は0〜500mg/kg/dayとした。さらに5FUとcimetidineの併用効果を確証すべく、各薬剤の投与量の検討中である。 いずれもまだ発表する段階になく、実験成績の詳細な検討を行っている。とくに免疫系の関与に対する実験結果が安定していない。
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