2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571259
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Research Institution | Faculty of Medical Sciences, University of Fukui |
Principal Investigator |
木村 哲也 福井大学, 医学部付属病院, 助手 (50195369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 偉 福井大学, 医学部, 助手 (80362044)
寺澤 秀一 福井大学, 医学部付属病院, 教授 (30324164)
田中 國義 福井大学, 医学部, 教授 (70144251)
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Keywords | 血管新生 / 重症虚血肢 / 遺伝子治療 / TP / LacZ / angiographic score / 免疫染色 / 側副血行路 |
Research Abstract |
【目的】Thymidine phosphorylase(TP)(PD-ECGF)の血管新生効果をウサギ重症虚血肢モデルを用いて評価した。【方法】pCI plasmid vectorを制限酵素で処理しTPおよびLacZ遺伝子を組み込んだものをそれぞれ作製し、増殖させ精製した。雄New Zealand White rabbitの左大腿動脈を外科的に結紮切離した重症虚血肢モデルを作製し、実験群を、1)TP群、2)LacZ群、3)生食群3群(各群n=6)に分けた。両下腿の血圧を0、10、20、30、40日目に測定。10日目に左大腿の血管造影後、TP、LacZ、生食を左大腿内転筋群に計5mg/2ml筋注した。40日目に血管造影後に犠牲死させ、内転筋を採取した。【結果】左下腿の皮膚組織壊死を来したものはTP群、LacZ群、生食群でそれぞれn=0、1、2であった。下腿血圧左右差は30日目、40日目でTP群がLacZ群、生食群と比較して有意に高値を示した(P<0.01)。左下腿のangiographic scoreは、TP群がLacZ群、生食群と比較して有意に高値を示した(P<0.02)。左下腿のTP発現はWestern blottingにて有意に高発現していた(P<0.04)。平滑筋α-actin免疫染色の光顕では脈管密度、筋脈管比ともにTP群がLacZ群、生食群と比較して有意に高値を示した。【結語】ウサギ重症虚血肢モデルにおいてTP遺伝子を組み込んだプラスミドベクターを大腿内転筋群に筋注することにより、control群と比較して、血管造影検査にて血管新生にて側副血行路が有意に発達し、下腿血圧左右差が有意に改善し、Western blottingにて有意にTPが高発現し、組織検査でも脈管が増生していることが確認された。本研究により重症虚血肢に対するTP遺伝子導入による新たな治療法確立の可能性が示唆された。
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