2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571265
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
市場 晋吾 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30284102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青江 基 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80260660)
氏家 良人 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10201352)
清水 信義 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90108150)
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (00307670)
伊達 洋至 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60252962)
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Keywords | 膜型人工肺 / 人工臓器 / 体外循環 / 肺移植 / 呼吸不全 |
Research Abstract |
現在、肺移植までのbridge useとしてまたは重症慢性呼吸不全の治療に用いられる人工肺は確立さていない。長期使用可能な植え込み型人工肺はこれらの疾患に対する装置として有用であり、我々はポンプ無しで胸腔内に埋め込むことの出来る人工肺の開発を目指し基礎研究を行なっている。市販の人工肺MENOX4000α(大日本インキ化学工業株式会社)をベースとしてPrototypeを作成した。我々はこのPrototypeの主にガス交換能についてin vitro評価を行なった。また、急性期動物実験のガス交換能の結果と比較した。酸素添加能は、血液流量2L/min、V/Q=1、2、3においてVO_2はそれぞれ97.3±3.86、99.2±4.97、98.2±3.38ml/minであった。二酸化炭素除去能は、血液流量2L/min、V/Q=1、2、3においてVCO_2はそれぞれ46.7±19.9、77.8±15.9、88.7±15.4mi/minであった。人工肺出入口における圧力損失は、血液流量1、3、5L/minにおいてそれぞれΔP_<inlet-outlet>=3.80±3.15、7.96±4.01、14.3±3.83であった。中空糸束の繊維密度を25%(膜面積0.45m^2)にし、入出口部のポートの位置とポート径、ハウジングに変更を加えたことで人工肺の圧力損失を低く抑えることが出来た。このPrototypeのガス交換能、膜面積に限度があり、血液流量の増加に対して十分な予備能があるとは言えなかった。一般に静脈血を動脈血化する有効肺血流量率は0.7以上とされており、これを満たす血液流量はQ=1〜2L/minであった。また、炭酸ガス較差分圧比は0.11〜0.13が適正酸素血流量比といわれているが、このPrototypeでは、Q=1のときV/Q=1.7〜1.9、Q=2のときV/Q=2.4〜3.0であった。しかしPrototypeは豚(15Kg)を用いた6時間の人工肺全置換実験において低い圧力損失を示し、ガス交換能も良好に維持された。これは豚の肺動脈血流量、即ち人工肺血流量が1.60〜1.77L/minで推移し人工肺の性能限界内におさまっていたためと思われた。急性期実験では動物は麻酔中でもあり血圧、心拍出量はコントロールされていたがこの人工肺をさらに発展させるためには十分な予備能を保ち安定したガス交換能を得られるよう更なる改良を要すると思われた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 佐藤 仁, 木下尚弘, 市場晋吾, 多賀一郎, 舟久保昭夫, 他: "植え込み型を目指した人工肺の開発-改良型MENOX《充填率25%》のガス交換能の検討"膜型肺. 第26号. 27-29 (2003)