2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌手術検体よりの初代培養細胞による同所性移植SCIDマウスモデルの作成
Project/Area Number |
14571269
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Research Institution | THE University of Tokushima |
Principal Investigator |
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 孝典 徳島大学, 医学部, 助手 (20346612)
先山 正二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60291986)
近藤 和也 徳島大学, 医学部, 講師 (10263815)
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Keywords | 肺癌 / 同所性移植 / 手術検体 / 転移様 / DNAマイクロアレイ / 遺伝子変化 |
Research Abstract |
平成15年度、私達は人肺癌細胞株(Ma2、Ma10、Ma25、Ma44-3、A549)5種及び人肺癌切除検体初代培養細胞2種を用い肺癌同所移植モデルを作成。経時的に転移様式を病理学的に検討した。結果は(リンパ行転移のみ:3種、血行性転移のみ:1種、リンパ行性転移と血行性転移の両方:2種、転移なし1種)であった。この同所性移植モデルは、リンパ行性転移のみならず血行性転移も生じた。我々のモデルは、肺癌細胞の違いにより、移植部肺での増殖能、転移能及び転移様式に違いを認め、癌細胞そのものの転移ポテンシャルを反映するものと思われる。 更に、このモデルを用い、ヒト肺癌細胞株3種(Ma2、Ma25、A549)及びヒト肺癌切除検体初代培養細胞2種(FM205、FT821)でマウスの移植部腫瘍のRNAと移植前の細胞RNAをセットにし、DNAマイクロアレイで57種(薬物代謝,薬剤耐性,DNA修復蛋白等)の遺伝子発現の違いを検討した。それぞれの細胞株と移植後の肺腫瘍のmRNAは、Pearsonの相関係数(R)はMa2:R=0.9533、Ma25:R=0.9259、A549:R=0.9070、FM205:R=08883、FT821:R=0.9335)で、マウスの移植部腫瘍のRNAと移植前の細胞RNAは有意に相関していた。これより、移植前の腫瘍細胞はSCIDマウス肺に移植後も遺伝子的変化はほとんどなく、移植後の肺腫瘍は移植前の細胞の特性を保持していると考えられた。 現在、臨床の肺癌切除材料より高率に初代培養癌細胞を作成し、そして、同所性移植モデルにより転移能や抗癌剤の抗腫瘍効果と転移抑制効果を同定するというシステムを確立すべく研究を行っている。これにより臨床での原発癌の転移能の評価や有効な抗癌剤の選択が可能になり、患者個別の治療に有用である。
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Research Products
(1 results)