2003 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線生体肺微小血管観察装置を用いた低酸素性肺血管攣縮の発生機序に関する研究
Project/Area Number |
14571275
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Research Institution | School of Health Science, International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
村山 史雄 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (60200309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘇原 泰則 自治医科大学, 医学部, 教授 (60114097)
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Keywords | 生体肺微小循環 / 軟X線解析装置 / 低酸素性肺血管攣縮 |
Research Abstract |
目的:肺胞低酸素によって肺血管攣縮が発生し肺高血圧が招来される。その発生機序について、今まで多くの研究がなされてきた。しかし、肺血管攣縮が肺血管のどの部位に発生するか未だ確認されていない。我々は、胸膜下の200μm以下の肺微小血管の観察を行ってきたが、このレベルの血管には低酸素性肺血管攣縮が見られないため、肺内に存在する200μm以上の肺血管の関与を想定した。そこで軟X線画像解析装置を改良し、生体にて200μm以上の肺血管を可視化、観察し、低酸素性肺血管撃縮の病態を明らかすることとした。 方法:(1)実験動物の作成:ドンリューラットを腹腔内麻酔し、体動脈・肺動脈圧測定、動脈血ガス分析測定および放射線造影剤注入用に、頚静脈・頸動脈・肺動脈基部にカニュレーションした。気管挿管、換気し、左胸壁を切除し、軟X線画像観察装置の観察窓に左肺を固定した。(2)軟X線観察装置:ソフロン【○!R】SRO-i6005NC(小焦点0.1mm、出力10-60kV、0.1-0.8mV)、CCDカメラ40万画素、画像解析ソフト(Image-Pro Plus)(3)実験:実験動物を、Room airで換気し、イオパミロン造影剤を注入し、Vital signを安定させ、次に15%O_2in N_2gasで換気し、それぞれの状態で肺動脈軟X線像を観察、記録した。また、それぞれの状態で肺動脈圧、体動脈圧を測定し、動脈血ガス分析を行った。 結果:測定値:room air値→15% O_2in N_2gas値、;動脈血酸素分圧:80Torr→45Torr、肺動脈圧:20mmHg→25mmHg、肺動脈径:252μm→234μm、335μm→305μm、382μm→330μm、400μm→394μm 結論:低酸素性肺血管攣縮は、軟X線画像解析装置で観察できる200μmから1000μmの肺動脈で起きており、250μmから350μmで顕著に認められることが示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yasuhiro Tezuka, Kenji Tetsuka, Fumio Murayama, et al.: "VITAL OBSERVATION OF THE PULMONARY MICROCIRCULATION IN RATS WITH A SOFT X-RAY SYSTEM"Microcirculation annual 200. in print.