2003 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸虚血下分節注入モデルによるnNOS阻害薬(7-NI)の評価
Project/Area Number |
14571277
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 光晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306610)
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Keywords | グルタミン酸 / Amyotrophic lateral sclerosis / 7-nitroindasole(7-NI) / n NOS inhibitor / L-NAME / 実験モデル / 脊髄保護 / グルタミン酸虚血下分節注入モデル |
Research Abstract |
【平成15年度の研究結果】Amyotrophic lateral sclerosis(ALS)は、進行性の神経変性疾患であり、有効な治療法は確立されていない。近年、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の神経毒性(glutamate neurotoxicity)とそのdownstream cascadeであるnitric oxide(NO)による運動神経細胞の障害が、ALSの病態発生に密接に関係していることが報告されてきている。グルタミン酸虚血下分節注入モデルを用いて、脊髄障害に対する、n NOS inhibitorである7-nitroindasole(7-NI)の神経保護作用をin vivoで評価した。New Zealand white rabbitを用い、A群,B群,C群の3群に分けた。A群では、7-NI 25mg/kgを腹腔内に術前から手術終了まで2時間ごとに投与した。B群では、7-NI 25mg/kgをA群と同様に腹腔内投与したのち、AMPA/kainite受容体阻害薬である2,3-dihydroxy-6-nitro-7-sulfamoyl-benzo(f)-quinoxaline(NBQX)を静脈投与した。C群は、グルタミン酸阻害薬riluzoleを術前10日間(100mg/kg/day)経口投与させたのち、7-NI 25mg/kgをA群と同様に腹腔内投与した。D群はcontrol群として、vehicleのみを同様に腹腔内投与した。カテーテルを大腿動脈から腹部大動脈にむけ挿入、先端はbifurcationから5mm上の位置に固定した。開腹し、腹部大動脈を左腎静脈直下で遮断、カテーテルをbifurcationで外側から締め、血流を遮断した。30mMのグルタミン酸溶液を2ml/minの注入速度で5分間、カテーテルから注入した。神経学的所見をTarlov modified scoreに従い、手術後、12,24,48時間後に、評価した。各実験群間の神経学的所見の比較は、Mann-Whitney U testで統計処理した。手術後、HE染色したのち光学顕微鏡で病理組織学的検索を行なった。A群では、Tarlov scoreは、3.8±0.6、B群は、3.6±0.9、C群は4.1±0.6とA群とB群、C群の各群間に有意差は認めなかった。病理組織学的検索では、D群では、灰白質とくにventral hornの神経細胞の脱落が著明であったが、A群、B群、C群では、軽度のeosinophilic changeのみで、灰白質は保護されていた。7-NIの脊髄保護にたいする有効性をin vivoで証明することにより、理論的基盤を与えるだけでなく、ALS治療へのn NOS inhibitorの応用、すなわち脊髄の運動神経細胞を保護し、患者の生命予後、quality of lifeを改善することが期待できる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Cho Y, Ueda T, Mori A et al.: "Neuroprotective effects of N-methyl-D-asparatate Receptor Antagonist on Asparatate Induced Neurotoxicity in the Spinal Cord in vivo"Jpn J Thoracic Surg.. 51(10). 500-505 (2003)