2003 Fiscal Year Annual Research Report
虚血心筋Gap JunctionにおけるCx43の動態と不整脈発生のメカニズム
Project/Area Number |
14571286
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
菅野 重人 日本医科大学, 医学部, 助手 (20291718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 泰雄 日本医科大学, 医学部, 助手 (00350611)
新田 隆 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40256954)
清水 一雄 日本医科大学, 医学部, 教授 (20133449)
佐々木 孝 日本医科大学, 医学部, 助手 (80350065)
大森 裕也 日本医科大学, 医学部, 助手 (40343587)
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Keywords | ギャップジャンクション / コネキシン43 / 心筋虚血 / 不整脈 |
Research Abstract |
心筋細胞間の電気伝導に関する主要チャンネルであるGap JunctionにおけるCx43の量が遺伝的に半減している個体(Cx43-deficient mice)を用いた虚血モデルを用いて各種実験系を確立した。超音波検査での心機能評価については、前年度のデータに加えてさらに長期の経過観察を行い、梗塞領域の形態的修復過程を観察した。その結果、梗塞心の形態的Remodelingは梗塞の大きさに依存することが追認されたが、Remodelingにおけるwildとhetero間の統計的有意差は依然得られず、Gap JunctionにおけるCx43の50%減弱は組織修復様式の支配的要素ではないのではないかと推察された。また梗塞領域が1週よりも10週でより小さく評価される傾向は再び証明され、瘢痕組織の境界領域からの修復機転によるものと考えられた。不整脈の誘発実験では前年度に引き続き、今年度は長期生存例に関する誘発実験を行った。その結果、Cx43の量が半減しているグループにおいては、不整脈が誘発されることを再び確認したが、慢性期ではwildとhetero間の有意差は消滅し、全体として電気的恒常性が維持される方向で組織修復がなされることが推察された。病理組織学的検索では前年度に引き続き組織所見と心室性不整脈との相関性を検討した。組織所見では梗塞の壁貫通性、心室瘤形成の有無、モザイク状の梗塞や梗塞巣における残存心筋層の存在を中心として観察することにより、虚血傷害に起因する異常伝導路の仮説を立てた。梗塞領域の心内膜側に残存心筋の層構造が認められる個体では、不整脈の誘発性が有意に高率であるという前年度の仮説は再び支持されたが、'同様の残存心筋層が心外膜側にある場合の不整脈誘発性に関してはwildとhetero間に有意差は無く、結論は得られなかった。
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Research Products
(1 results)