2004 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈弁置換術後の非構造的機能不全に関する血清学的研究および免疫組織学的研究
Project/Area Number |
14571290
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
青柳 成明 久留米大学, 医学部, 教授 (40098786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 信彦 久留米大学, 医学部, 講師 (30238141)
田山 栄基 久留米大学, 医学部, 助手 (90281542)
福永 周司 久留米大学, 医学部, 講師 (90261073)
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Keywords | 人工弁機能不全 / パンヌス / 血栓 / 複数検出機列CT / 術前診断 |
Research Abstract |
目的:人工弁機能不全(PVD)は弁置換術後の重篤な合併症である。一般的な発生頻度は稀と考えられているが我々は無症候性PVD症例が高頻度に存在することを報告してきた。今回無症候性PVD症例に対し、複数検出機列CT(MDCT)を用いた術前診断の有用性について検討した。 方法:当施設でSJM弁、ATS弁を用い大動脈弁置換術(AVR)を施行され、経過観察中にPVDと診断された8例(SJM弁7例、ATS弁1例)を対象とした。術前に心電図同期法を併用したMDCT撮影を行い、専用のWork stationを用いてDouble oblique法で人工大動脈弁位のCT像を構成しPVDの原因診断を行った。術前に得られたCT像と術中所見を比較検討し、MDCTによる診断の有用性を検討した。 結論:術前MDCTにおいて7例に心室中隔側から人工弁のHousing内に侵入するパンヌスが確認できた。いずれの症例においても人工弁周囲の血栓は指摘されなかった。術中所見では8例全例に中隔側から侵入するパンヌスを認めたが血栓は存在せず、いずれの症例もパンヌスがPVDの原因であると考えられた。 検討:術前のMDCTにおいて8例中7例に術中所見と一致するパンヌス像を認め、MDCTはPVDの術前診断に有用であることが示唆された。しかし、両弁置換術症例や心房細動合併症例などでは詳細な画像の描出が困難であることが多く、今後これらの症例に対する画像精度の向上が課題であると考えられた。 略語:人工弁機能不全(prosthetic valve dysfunction : PVD)、大動脈弁置換術(aortic valve replacement : AVR)、複数検出機列CT(multidetector-row computed tomography : MDCT)
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