2003 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫に対する血管新生抑制剤と低用量化学療法剤、免疫増強剤の併用療法の開発
Project/Area Number |
14571304
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Research Institution | Faculty of Medical Sciences, University of Fukui |
Principal Investigator |
久保田 紀彦 福井大学, 医学部, 教授 (70092781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敬夫 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (40217675)
竹内 浩明 福井大学, 医学部, 助手 (80262624)
佐藤 一史 福井大学, 医学部附属病院, 助教授 (60187177)
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Keywords | 神経膠腫 / 血管新生 / サイトカイン / VEGF / インターフェロン / TP / ACNU / 5-FU |
Research Abstract |
1)悪性神経膠腫細胞は低酸素下において脳血管内皮細胞の細胞死を抑制した。その作用機序には、悪性神経膠腫細胞由来のVEGFが関与しており、またその作用は血管内皮細胞において転写因子NFkBに依存していた。さらに種々のVEGF inhibitorおよびNFkB inhibitorが、この悪性神経膠腫細胞の血管内皮細胞保護作用を抑制した。また悪性神経膠腫細胞では低酸素下においてTNFαの発現が亢進しており、このTNFαは、血管内皮細胞の細胞死を誘導した。 2)悪性神経膠腫細胞は低酸素下において、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の細胞死を誘導した。この現象は、1)の脳血管内皮細胞に対する効果とは全く逆であった。 3)インターフェロンベータ(IFNβ)により、悪性神経膠腫細胞におけるangiopoietin-2の発現が亢進した。 4)悪性神経膠腫に対する抗腫瘍剤として汎用されているACNUに対する耐性神経膠腫細胞株を確立し、cDNA arrayにて遺伝子発現プロフィールを野生株と比較検討した。耐性株では種々の薬剤耐性遺伝子とともに、血管新生関連因子の遺伝子発現に変化がみられた(MIF、Pleiotrophinなど)。 5)IFNβが悪性神経膠腫細胞のTP/PD-ECGFの発現を誘導し、この誘導されたTP/PD-ECGFは抗腫瘍剤である5-FUの抗腫瘍効果を高めた。 6)悪性神経膠腫細胞におけるIFNによるPD-ECGF発現の調節には、de novo蛋白合成が不要で、JAK-STAT依存性のtranscriptional activationとmRNA stabilizationの相乗効果が必要であった。 7)IFNが悪性神経膠腫細胞におけるVEGFの発現を誘導していた。このVEGFの発現調節には、de novo蛋白合成が必要であり、p44/p42 MAPKが関与していた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Arishima H, Sato K, Kubota T: "Immunohistochemical and ultrastructural study of gap junction proteins connexin 26 and 43 in human arachnoid villi and meningeal tumors"J Neuropathol Exp Neurol. 61. 1048-1055 (2002)
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[Publications] Takeuchi H, Kubota T, Sato K, Llena JF, Hirano A: "Epithelial differentiation and proliferation potential in spinal ependymomas"J Neuro-Oncol. 58. 13-19 (2002)
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[Publications] Takeuchi H, Kubota T, Sato K, Yao Y, Arishima H: "Atypical neuronal-glial tumors of cerebral hemispheres in adults with PNET-like component : clinicopathological features of 5 cases"Clin Neuropathol. 22. 47-56 (2003)