2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571305
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高見 剛 岐阜大学, 医学部, 教授 (70136943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 昇 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
斉尾 征直 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40242721)
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Keywords | 腫瘍抗原ペプチド / HLA-A24 / ヒトグリオーマ細胞 / ヒスチジン標識キメラ蛋白 / 腫瘍免疫療法 |
Research Abstract |
腫瘍抗原特異的T細胞を活性化・増幅して腫瘍を免疫学的に治療するためには、腫瘍特異的抗原ペプチドを明らかにする必要がある。従来は培養腫瘍細胞株などから酸抽出法でペプチドが解析されてきたが、この方法では大量の腫瘍細胞が必要であり、また、任意のHLA分子に結合するペプチドを解析することができない。そこで、本研究は既に樹立された癌細胞培養株に任意のHLA遺伝子を分泌型に改変して導入し、培養液中に分泌されたHLA分子結合抗原ペプチドを解析する方法を開発する目的で実施した。 日本人に多いHLA-A24(以下、A24と略)cDNAより調整した全長、細胞質内領域を除いた領域、細胞外領域(以下、それぞれ1098、1067、881と略)を、ヒスチジン標識キメラ蛋白として発現するようにA24陰性培養グリオーマ細胞株であるU373に導入した。抗HLA抗体と抗A24抗体並びに抗A24抗体と抗ヒスチジン抗体の組み合わせによるサンドイッチELISAで培養上清を検討し、ヒスチジン標識分泌型A24蛋白産生細胞株3種、U373-1098、U373-1067、U373-881、を樹立した。さらに、それらの遺伝子導入培養細胞株からCHAPS可溶性分画も検討し、最も大量にキメラ蛋白を産生するU373-1067をA24結合グリオーマ腫瘍特異抗原ペプチドの解析に使用した。濃縮したU373-1067培養上清をヒスチジン精製用アフィニティーカラムにかけると、50mMイミダゾール溶出分画に予想される約50kDaの蛋白が含まれて来た。この分画にはβ2ミクログロブリンも含まれA24・ヒスチジンキメラ蛋白が分離されていることが推定されたが、抗HLAおよび抗A24抗体との反応が認められなかった。また、50mMイミダゾール分画には抗ヒスチジン抗体と反応する40〜50kDaの物質が多量に混在し、抗原ペプチド精製め障害となっている。この夾雑物はU373が産生する蛋白であり、無血清条件で著しくその産生が低下するが同様にA24キメラ蛋白の産生も低下することから、抗原ペプチド解析の障壁となっている。
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