2004 Fiscal Year Annual Research Report
局所脳虚血における合成ピリミジン化合物による神経保護効果の検討
Project/Area Number |
14571337
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川俣 貴一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90204768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智勝 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60010443)
山根 文孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60210506)
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Keywords | 脳虚血 / 脳梗塞 / 合成ピリミジン化合物 / MS-818 / 神経機能障害 / 脳卒中 |
Research Abstract |
合成ピリミジン化合物(MS-818)は、神経突起の伸長促進および神経細胞死抑制効果を有し、なおかつneurotrophic factorsの作用を増強、修飾すると報告されている。我々が開発した実験的脳虚血モデル(modified Tamura model、S-Dラット)を用いて、MS-818の効果に関し引き続き検討中である。 (a)脳虚血巣縮小効果 これまでに、MS-818を脳虚血作成と同時ならびに24時間後に腹腔内投与を行ったところ(1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg)、48時間後の脳梗塞巣の大きさがコントロールと比較して有意に縮小することを見出した。明らかな濃度依存性は認められなかった。さらに臨床応用の点からtherapeutic windowを検討した。今回の検討では、脳虚血作成後3時間までの効果は認められたが、脳虚血直後から投与をはじめた時よりも脳虚血縮小効果は小さかった。すなわち、therapeutic windowは余り広いとは言えず、投与方法の工夫が必要と考えられた。 (b)神経機能障害回復促進効果 この動物モデルでは脳虚血作成後に明らかな神経機能障害(感覚運動障害)が生じる。急性期の神経機能障害の回復程度に関して検討した。感覚運動障害の評価には我々がこれまで用いてきた、forelimb placing test、hindlimb placing testを用いた。やはり脳虚血3時間まではMS-818投与群にて神経症状の改善が有意に認められた。 (c)作用機序 MS-818の神経保護効果において、MAP kinase系のupregulationが関与していることが示唆された。
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