2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入技術を用いた靭帯・腱移植の骨固着改善に関する研究
Project/Area Number |
14571360
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 久忠 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10262007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282661)
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
森 芳久 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60343141)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Keywords | アデノウィルススベクター / 靭帯骨固着 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
まず予備実験として、マウス、兎の骨随腔・筋肉内にBMP,TGF-bの1型レセプター(ALK)の恒常活性型分子をコードしたアデノウィルスとその下流のシグナル分子であるSmad 1をコードしたアデノウィルスを投与し、局所への遺伝子導入効率を免疫染色で確認、さらに局所骨形成作用の確認を行った。骨組織の定量には、軟X線写真、DEXAを用いた。さらに組織学的な評価を行った。概ね予想通り投与局所で目的分子の発現を確認することができた。次に、骨孔内にアデノウィルスを含むフィブリンゲルなど吸収性の担体を充填。術後早期の段階での遺伝子発現の有無、その持続期間について、LacZ遺伝子をコードするウィルス液を種々の投与量を用いて検討した。約2週間は目的の遺伝子が発現していた。さらに、これらの遺伝子導入技術が実際に兎モデルにおいて骨孔への靭帯固着を促進するか否かを検討した。ALKの恒常活性型分子をコードしたアデノウィルスとその下流のシグナル分子であるSmad 1いずれを用いたものでも術後1から6週において兎を用いた靭帯固着モデルで、その促進を力学的に不すものはなかった。原因としては1)ウィルスの力価、発現の不足、2)ウィルスによる靭帯実質への悪影響、3)新たに骨孔内に形成された骨組織の強度の不足などが考えられた。
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