2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571373
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松山 幸弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20312316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 義人 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
中村 博司 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
辻 太一 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
吉原 永武 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | 脊髄損傷 / 脊髄再生 / コンドロイチナーゼABC / ステロイド / iNOS |
Research Abstract |
平成15年度の研究目標はGDNF puromotorを組み込んだadenovirus vectorを作成し、損傷脊髄に直接注入することによって機能回復をめざすことであった。しかし、近年ウィルスベクターを使用すること自体の問題点、特に倫理的な面での問題がクローズアップされた。そこで倫理的に問題となっているウイルスベクターは使用せずに、有効かつ安全に遺伝子の導入ができるリポフェクション法とnucleophection法が可能となり、また多分化能を有する自己由来の骨髄由来幹細胞が遺伝子導入細胞としてまた神経細胞への分化も可能な細胞として注目された。 今年の研究成果は、ラット骨髄細胞の培養が可能となり、nucleophection法を用いてこの培養骨髄細胞にGDNF plasmidを遺伝子移入することに成功した。GDNFは比較的最近発見された神経栄養因子で、その作用機序にはまだ不明な点が多いが、その強力な栄養作用は脊髄損傷後の修復機序の促進に期待されうる。このGDNF産生遺伝子をウィルスベクターを使用せずnucleophection法で行えたことが第1の特色である。第2の特色はこのGDNFをnucleophectionさせた細胞に骨髄由来幹細胞を利用した点である。この骨髄幹細胞は多分化能を有するといわれ、また自己由来であるがために採取方法、倫理面、拒絶反応がおこらないなどで多くの利点を有し、さまざまな臓器への移植を目的としたドナー細胞として注目を集めている。最近の研究では神経細胞への分化も報告されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 于一民, 松山幸弘, 中島正二郎, 簗誠, 辻太一, 中村博司, 石黒直樹: "急性脊髄損傷後iNOSに対する薬物影響の検討"日整会誌. 77・8. S1167-S1167 (2003)
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[Publications] 中島正二郎, 松山幸弘, 後藤学, 吉原永武, 辻太一, 酒井義人, 中村博司, 他: "ラット急性脊髄損傷モデルにおけるメチルプレドニゾロンのGDNF産生に与える影響"日整会誌. 77・8. S1168-S1168 (2003)
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[Publications] Yu Yimin, Matsuyama Yukihiro, et al.: "The influences of hyperbaric oxygen (HBO) on apotosis and microglia/macrophage following spinal cord injury"東日本整災会誌. 15・3. 453-453 (2003)