2003 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板変性の抑制に関する基礎的研究-再挿入髄核の活性化の検討-
Project/Area Number |
14571406
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
持田 讓治 東海大学, 医学部, 教授 (50174347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 武 東海大学, 医学部, 講師 (60246121)
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Keywords | intervertebral disc / nucleus pulposus / mesenchymal stem cells / coculture |
Research Abstract |
【目的】今回骨髄間葉系細胞とのcocultureで得られた髄核細胞の再挿入による椎間板変性過程の影響についてin vivoで検討した。 【方法】幼若日本白色家兎10羽を経腹膜外経路にて展開し、腰椎3/4〜6/7椎間板の髄核を吸引、椎間板変性モデルを作製した。また、同種家兎より採取した骨髄液を培養し、骨髄間葉系細胞およびその液性成分を回収した。さらに別の同種家兎より髄核細胞を回収し,骨髄間葉系細胞とcoculture(B群)、液性成分を添加してculture(F群)およびmonoculture(N群)を行った。2週間後対側より展開し、4/5椎間板にB群、5/6椎間板にF群、6/7椎間板にN群をそれぞれ0.02cc挿入し、3/4椎間板には再度穿刺のみ(S群)を行い、2/3椎間板はコントロール(C群)とした。再挿入後、2、4週で5羽ずつ屠殺し、椎間板を取り出し、固定、脱灰後、パラフィン切片を作製した。評価はHE、サフラニン-OおよびII型コラーゲンを染色し光顕的観察を行った。 【結果】再挿入時の細胞はほぼconfluentであり、異形細胞は認めなかった。C群はいずれの時期においても髄核、線維輪組織は形態的に保たれていた。S群は髄核はほとんど消失し、繊維輪は強い蛇行と断裂を認めた。B、F、N群は髄核の空胞を有する細胞の減少は認めるも残存しており、線維輪の蛇行はS群と比較して軽度であった。とくにB、F群の椎間板ではN群よりさらに変性変化は遅くなっていた。また、B、F、N群で線維輪内層部に軟骨様細胞の出現を認めるが、今までの我々の報告同様、2、4週例ではII型コラーゲンの染色は認めなかった。 【考察】骨髄間葉系細胞とのcocultureにて活性化した髄核細胞は、monocultureした髄核細胞よりさらに椎間板変性の経時的進行を遅らせることができ、臨床応用の可能性が期待された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山本至宏, 持田譲治ほか: "骨髄間葉系幹細胞による同種髄核細胞の活性化 Cocultre法における細胞間接着の意義"日本脊椎脊髄病学会雑誌. 14巻1号. 121 (2003)
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[Publications] 山本至宏, 持田譲治ほか: "骨髄間葉系幹細胞と髄核細胞のCocultureが間葉系幹細胞の分化に与える影響"日本整形外科学会雑誌. 77巻8号. S1067 (2003)
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[Publications] 酒井大輔, 持田譲治ほか: "幹細胞を用いた細胞移植による椎間板再生"日本整形外科学会雑誌. 77巻8号. S925 (2003)
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[Publications] Watanabe K, Mochida J et al.: "Effect of reinsertion of activated nucleus pulposus on disc degeneration : an experimental study on various types of collagen in degenerative discs"Connect Tissue Res.. 44(2). 104-108 (2003)
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[Publications] Yamamoto Y, Mochida J et al.: "Reinsertion of nucleus pulposus cells activated by mesenchymal stem cells using coculture method decelerated intervertebral disc degeneration."Spine Journal. 3(5S). 101S (2003)
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[Publications] Yamamoto Y, Mochida J et al.: "Upregulation of viability of nucleus pulposus cells using novel coculture system -significance of direct cellular interaction-."Spine. 29(in press). (2004)