2002 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブトウ球菌に対する特異抗体を用いた生体材料への付着阻止に関する研究
Project/Area Number |
14571410
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松下 和彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (50190450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一幡 良利 筑波技術短期大学, 衛生・公衆衛生学, 教授 (70090115)
青木 治人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40096516)
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Keywords | 生体材料 / 黄色ブドウ球菌 / 付着 / 抗体 / 付着阻止 |
Research Abstract |
(目的)本研究の目的は、ヒト血清中の黄色ブドウ球菌に対する特異抗体を用いて生体材料を被覆することにより、同菌の付着が抑制されるか否か検討することである。まずプラスチック固相への付着について検討した。 (方法)使用菌株はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌SMU-01株を用いた。10名のヒト血清中の黄色ブドウ球菌莢膜多糖体に対するIgM,IgG,IgA抗体活性を、酵素標識免疫定量法(ELISA)阻止試験にて測定した。そのうち黄色ブドウ球菌Smith株に対する抗体活性が高い血清(IgG57%、IgM18%、IgA1%)と抗体活性のない血清を実験に用いた。1000倍希釈のヒト血清16mlをプラスチックシャーレ(FALCON)に入れ30分室温で静置し、phosphate-buffered saline(PBS)(pH7.2)で3回洗浄した。次に10^3、10^2、10^1CFU/mlに調整した黄色ブドウ球菌SMU-01株の菌液16mlをシャーレに入れ5時間室温で静置した。菌液を除去してPBSで3回洗浄し、1%glucose、0.015%neutral red含有trypticase soy agarを入れ、37℃で48時間培養した。その後、培地上に37%formalin 20mlを添加し、24時間固定後寒天を除去し、Mackenzieらの方法に準じてシャーレの表面に付着した菌数を測定し、接種菌数との比を指数(percent Index of adherence, IA%)として表した。 (結果)抗体活性の高いヒト血清前処置群のIA%は、抗体活性のないヒト血清前処置群のそれより低値であった。今後、生体材料を用いて同様の実験を行う予定である。さらに、ヒト血清よりIgG、IgM分画を抽出・精製し、どの画分に異物への付着を阻止する働きがあるかを検討する。
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