2002 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素下培養滑膜によるヒアルロン酸低分子化の機構と、その滑膜増殖に与える影響
Project/Area Number |
14571411
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
赤木 将男 近畿大学, 医学部, 講師 (00273441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 藤吾 近畿大学, 医学部, 講師 (70268407)
宗圓 聰 近畿大学, 医学部附属病院, 助教授 (10142598)
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
原 文彦 近畿大学, 医学部, 助手 (30340798)
王 正道 近畿大学, 医学部, 助手 (20319734)
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Keywords | ヒアルロン酸 / 低分子化 / 関節炎 / 活性酸素種 / 滑膜 / 阻血再潅流 |
Research Abstract |
変形性関節症(OA)や関節リウマチ(RA)の関節液中には低分子量のヒアルロン酸が検出されることが報告されている。これらの低分子量ヒアルロン酸はマクロファージを刺激し、関節炎の増悪に関与する可能性が指摘されている。しかし、関節液中で活性をもつヒアルロニダーゼが認められないことより、どのような機構でヒアルロン酸が低分子化するのかは明らかでない。本研究では酸化ストレス亢進状態にあるOAやRAの関節液中に放出されるreactive oxygen species(ROS)がヒアルロン酸の低分子化に重要な役割を果たすという仮説を立て、検証を試みた。まず、培養滑膜を低酸素下で培養し、再酸素化を行った。この再酸素化によりROSの発生を確認した。分子量1.8x10^6のヒアルロン酸を活性酸素、ヒドロキシラジカル、過酸化水素存在下で反応させると、ヒドロキシラジカルにより強いヒアルロン酸の低分子化を生じた。また、この低分子化はヒドロキシラジカル中和剤であるジメチルスルフォキシド、シトルリンによって抑制された。従って、滑膜組織の阻血再潅流はヒアルロン酸の低分子化をもたらす可能性がある。今後、低分子量ヒアルロン酸合成を行うとされているHAS3(hyaluronan syntase3)発現の変化による低分子ヒアルロン酸の産生亢進の有無、さらに、低分子ヒアルロン酸による、培養滑膜における種々の炎症性サイトカインの産生、ヒアルロン酸レセプターであるCD44の発現・cross-linking・シグナリング伝達に与える影響を検索する。
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Research Products
(1 results)