2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571415
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
橋本 浩 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00218421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 武 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
小谷 直樹 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30205405)
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Keywords | 肺胞マクロファージ / 肺胞リンパ球 / サイトカイン / 接着分子 / 急性肺障害 / フローサイトメトリ / 生体侵襲 / 炎症 |
Research Abstract |
1.軽度高二酸化炭素血症が肺胞マクロファージ(AM)に及ぼす影響:最近軽度の高二酸化炭素血症の肺保護効果が指摘されている。今回術中の高二酸化炭素血症がAM機能に及ぼす効果を検討した。麻酔導入直後、2、4時間後、および手術終了時に、肺胞気管洗浄でAMを採取した。AMの炎症性変化の判定を、Light cyclerを用いた定量的RT-PCRを用いたサイトカインの遺伝子発現で評価した。炎症性サイトカインとしてIL-1β、IL-8、IFNγ、TNFα、抗炎症性サイトカインとしてIL-4、IL-10を選択した。さらにリンパ球の分布(CD4,CD8など)と接着分子(CD11a, CD11b, CD11c, CD18, CD49d, CD54)の細胞表面抗原の変化をフローサイトメトリで評価した。IL-1、TNFα、IL-8、IL-4の遺伝子発現はcontrol groupの方が有意に高かった。活性リンパ球の上昇、リンパ球の表面抗原の増加も、control群の方が有意に高かった。これらの所見から、軽度の高二酸化炭素血症は、術中の免疫系の変化を抑制することが示唆された。結果を近日中に論文化する予定である。 2.手術侵襲の違いが肺胞マクロファージ(AM)に及ぼす影響:手術侵襲が大きい程術後肺合併症が多いことが報告されている。手術侵襲の違いがAMに及ぼす影響を評価している。手術侵襲の違いにより3群に分けた。手術侵襲の大きな手術として、膵頭十二指腸切除術や広範囲肝臓切除などを選択した。中程度の手術として、結腸直腸切除などの下腹部手術を、軽度の手術として、整形外科または形成外科手術を選択した。実験1に準じてAM機能を評価している。まだ目的としている症例数には達していないが、多くの炎症性および抗炎症性サイトカインの遺伝子発現は、手術侵襲に比例して亢進していた。リンパ球の接着分子や活性リンパ球の増加の程度も同様であった。このことから手術侵襲が大きい程AMの機能変化が高度と考えられる。
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