2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571416
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小池 薫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10267164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲幸 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (50178323)
相星 淳一 日本医科大学, 医学部, 助手 (50256913)
篠澤 洋太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30129465)
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Keywords | 腸管 / 虚血 / 再灌流障害 / リンパ液 / 脂質メデイエーター |
Research Abstract |
【目的】出血性ショックに続発する肺障害に、腸管リンパ液(ML)の関与が示唆されている。小腸虚血再潅流後のMLの生物学的活性を評価することを目的に,本年度は出血性ショック後のMLの生物学的活性を検討した。【方法】雄性ラット(350-450g)の腸間膜リンパ管にカテーテルを留置してMLを採取した。大腿動脈より1ml/分の速度で脱血し,平均動脈圧40mmHg,30分間のショック後、2時間かけて,脱血した血液とその2倍量の生理食塩水で蘇生した。蘇生開始後1-2時間目の間に採取したMLを用いて,(1)正常ラット好中球の活性酸素産生能からみたpriming:ラットの好中球を5分間、37℃でMLとインキュベート後、phorbol myristate acetate(PMA)を加えて活性化し、好中球のプライミングをO_2^-産生量で評価,(2)fibrinogenに対する接着:好中球をNa_2^<51>CrO_4でラベルし、フィブリノーゲンコーティングウエルに粘着させ検討,(3)CD11b接着分子の発現:全血に血小板活性化因子(PAF)を加えた後、抗CD11b抗体を加えてフローサイトメトリーで測定、を検討した。【結果】(1)superoxide産生:出血性ショック群のML(4.7±1.0nmolO_2/3.75x10^5cells/min)は,sham群(1.7±1.2)と比較して,活性酸素産生を増幅した。(2)好中球接着能:出血性ショック群のML(20.1±9.5%)は,sham群(6.3±8.2)と比較して有意に接着を増加した。(3)CD11b接着分子発現:出血性ショック群のML(2.6±0.5group/cont)はsham群(1.4±0.8)よりCD11b接着分子の発現を増加した。【結論】出血性ショック後の腸管リンパ液中のメディエーターは、出血性ショックに続発する臓器障害発生に重要な役割を演じている可能性がある。
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