2003 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性ForsKolinに関する基礎的研究:強心作用にアシドーシスが及ぼす影響
Project/Area Number |
14571418
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田中 誠 秋田大学, 医学部, 助教授 (50236634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助手 (00312702)
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Keywords | アシドーシス / Forskolin / 強心作用 |
Research Abstract |
本年度の研究成果 平成15年度:田中誠、研究計画・実行担当;木村哲、実行担当;西川俊昭、実行担当、研究指導 Hepes-Tyrode solutionのpHを7.4,7.0,6.6(それぞれn=10)に調節し、Forskolin濃度が10^<-7>〜10^<-3>Mとなるようcumulativeに投与したところ、organ bath内の左心房、右心室筋のisometric forceは、何れのpHにおいても有意に上昇した。右心室筋isometric forceの最大変化率はpHによる違いが認められなかったが(97±82〜151±100%)、左心房筋のisometric forceの最大変化率は、pH=6.6の時に最大で(187±110%)pH=7.4の時(61±52%)より有意に大きかった。 さらに、pH7.4及び6.6においてForskolin10^<-3>Mは細胞内cAMP濃度を、右心室、左心房ともにvehicle(生理食塩水)に比べ有意に増加させた。また、細胞内cAMP濃度の増加率は、右心室(pH6.6,128%;pH7.4,80%)、左心房(pH6.6,153%;pH7.4,154%)ともにpHにより影響を受けなかった。 以上の結果は、他の強心薬であるカテコラミンやPDEIII阻害薬の強心作用がpHの低下により強く抑制されることと異なり、水溶性Forskolinによる強心作用がpHによる影響を受けない事を示している。
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