2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571436
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
桐原 由美子 島根大学, 医学部, 教務職員 (90234400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 洋司 島根大学, 医学部, 教授 (50162243)
土井 克史 島根大学, 医学部, 助教授 (20304272)
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Keywords | 神経因性疼痛 / オピオイド / くも膜下投与 / 痛覚過敏 / 侵害性刺激 / 非侵害性刺激 |
Research Abstract |
Sprague-Dawley系雄ラットの左坐骨神経を糸で4箇所縛るBennettの方法を用いて神経因性痙痛モデルを作成し、14日後まで疼痛閾値の変化を測定した。侵害性疼痛閾値の測定には、ラット後肢の背側面に圧を加え、逃避した時点の圧を閾値とするPP試験を行った。非侵害性疼痛閾値の測定には、フィラメントを後肢底にあて逃避反応が起きた時点で後肢へ加わった重さを閾値とする、SWM試験を行った。5日目から5日間、朝夕2回モルヒネ10μg、モルヒネ10μg+ギャバペンチン200μg、ギャバペンチン200μg、生理食塩水を10μlラットのくも膜下に投与し、疼痛閾値の変化を調べた。9日目にPP試験を用いて疼痛効果を3時間測定し、連続投与による影響を調べた。 左坐骨神経を縛ったラットは、5日目よりPP、SWM試験において、左後肢の疼痛閾値が右後肢と比較し有意に低下し14日後まで持続した。モルヒネ投与群の右後肢の疼痛閾値はPP試験において、7日目と9日目に生食群と比較し有意に低下したが、ギャバペンチンとの混合投与群では9日目だけ有意に低下し、7目目はモルヒネ単独群と比較して有意に閾値の低下が抑制されていた。左後肢では、閾値の低下に群間の差は認められなかった。SWM試験では、モルヒネ投与群は右後肢の疼痛閾値が9日と12日に生食群と比較し有意に低下したが、ギャバペンチンとの混合投与群では、生食群と比較し有意差が認められなかった。左後肢では、PP試験と同様に閾値の低下に群間の差は認められなかった。9日目の投与後、モルヒネの鎮痛効果は両後肢で減弱し、モルヒネ耐性の発現が認められたが、その程度は右後肢で強く認められた。モルヒネとギャバペンチンとの混合投与でも同様の結果が認められたが、モルヒネ単独投与群に比べ、鎮痛効果の減弱が抑制されていた。 これらの結果により、モルヒネの連続投与により、神経因性モデルでは疼痛過敏が増悪するが、ギャバペンチンを混合投与することにより抑制され、またモルヒネの耐性発現も抑制されることが明らかとなった。
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