2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体肺移植における再灌流肺傷害に対する一酸化窒素の効果とサイトカインの変動
Project/Area Number |
14571437
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
五藤 恵次 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00234980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝渕 知司 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (70311800)
伊達 洋至 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (60252962)
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Keywords | 肺移植 / 生体 / 再灌流傷害 / 一酸化窒素 / サイトカイン |
Research Abstract |
岡山大学グループは平成10年10月に日本で初めての生体部分肺移植を施行し成功して以来、平成15年3月までに20例の生体肺移植を施行し、全例生存している。この成績は世界最高であり例を見ないものである。われわれ麻酔蘇生科・集中治療部は麻酔および術前・術後集中治療管理を担当している。多くの症例において術中の移植直後から術後数日間にかけて虚血再灌流傷害が原因と考えられる重篤な呼吸不全(移植早期グラフト不全)を経験し、治療に難渋した。肺移植が心臓移植に比較して術後急性期の死亡率が高いのは,移植された肺は容易に傷害を受けやすく移植後に急性呼吸不全をきたしやすいからであり、肺移植においては術中から術後の管理が非常に重要である。虚血再灌流傷害は,肺移植後の死亡原因の大きな一つであり、虚血再灌流傷害を予防する方法は,各種考案されているが肺移植の先進国である欧米においてさえ確立されていない。我々の研究目的は,虚血再灌流傷害に対する一酸化窒素(以下NO)吸入療法の予防効果をプロスペクティブに検討し,移植肺における酸素化能と移植後に発生しやすい肺高血圧症に対する効果を判定することである。同時に,移植肺の病態と治療に対する効果を検討するために,移植前,移植肺への再灌流直前・直後,移植後の血中インターロイキン6,8,lOとtumor necrosis factor-alpha(TNF-α)を測定し,再灌流傷害の原因を探索することを目的とする。 平成14年度は6例の生体肺移植(原発性肺高血圧症4例、肺リンパ脈管筋腫症1例、閉塞性細気管支炎1例、突発性肺線維症1例)を行い,NOの臨床的効果とサイトカインの再灌流傷害への関与を検討中である。今後さらに移植症例が増加してくるものと考えられており、臨床での治療の質をさらに向上させると同時に研究を継続し、症例数を積み重ねる必要がある。
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