2002 Fiscal Year Annual Research Report
冠拡張薬による心筋保護が敗血症の心機能におよぼす影響
Project/Area Number |
14571465
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
芹田 良平 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50245594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 浩 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60182226)
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Keywords | 敗血症 / Nicorandil / Working heart / 死亡率 / 心機能 |
Research Abstract |
敗血症ではhyperdyanmic circulatory stateとなる早期より心機能が障害される。そこで早期より冠拡張薬nicorandil投与による心筋保護が心機能維持と死亡率を改善するか、盲腸穿孔法(CLP)ラット敗血症モデルの摘出心筋標本を用いて検討した。初年度には、ラットに内頸動静脈にカニュレーション後、無作為にCLP群とSham手術群の2群に分け、生食3ml/hrの輸液を行った。手術1時間後、各群とも、さらにNicorandil(1mg/kg/hr)投与群(Nico群)とコントロール群(Cont群)の計4群に分けた。24時間後、麻酔下に速やかに心臓を摘出灌流し、前負荷を変化させた際の心拍出量(CO)、Cardiac Work(CW)、Cardiac Efficiency(CE)を評価した。その結果、CLP各群はSham各群に比較してCO、CW、CEが低下し、またCLP-Nico群はCLP-Cont群に比較してCO、CW、CEを改善した。一方、Sham群では、各群とも差を認めなかった。また、別の系においてCLPラットをNico群とCont群に分け48時間観察したところ、生存率はNico群で高いという中間結果を得た(15年5月米国胸部疾患学会、日本麻酔学会で発表予定)。現在は、標本数をさらに増加させると共に、その機序解明を図るため、マクロファージ遊走阻止因子などを含め各種サイトカイン測定、免疫染色法による検討もなども併せて遂行していく計画である。
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