2004 Fiscal Year Annual Research Report
エピドラスコピーによるターゲット治療の確実性と安全性の検討と臨床応用
Project/Area Number |
14571466
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井関 雅子 順天堂大学, 医学部, 講師 (80221076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 東洋 順天堂大学, 医学部, 教授 (70053139)
光畑 裕正 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70108934)
田邊 豊 順天堂大学, 医学部, 助手 (90338377)
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Keywords | エピドラスコピー / 硬膜外腔 / 電流知覚閾値 / 硬膜外鏡 / 末梢神経機能 |
Research Abstract |
1)エピドラスコピーを用いた硬膜外腔癒着隔離とステロイドのターゲット注入療法の有用性と安全性について、<当科におけるエピドラスコピーを用いた硬膜癒着剥離術の治療効果>という表題で平成16年11月14日に第24回臨床麻酔学会大会で発表した。同年9月までに腰椎疾患に起因した疼痛の緩和を目的に、エピドラスコピーでの治療を受けた患者(男性7例女性8例、年齢16〜86(62,0±17.8)才)を対象とした。疾患別では、腰椎術後6例(failed back4例、ヘルニア再発2例)、腰椎椎間板ヘルニア2例、脊柱管狭窄を伴ったヘルニア3例、すべりを伴ったヘルニア2例、脊柱管狭窄症2例であった。治療効果の判定は剥離1週間後の患者の満足度(有用:満足できる除痛とActivity of Daily Life (ADLと略す)の改善あり、やや有用:ある程度の除痛とADLの改善は得られたが不十分、有用でない)と日本整形外科学会の腰椎疾患スコア(日整会スコアと略す)で行い、その後の経過についても検討した。その結果、自覚症状の改善の程度は、有用が9名、やや有用が2名、有用でないが4名であった。日整会スコアは、治療前12.38±4.89(Mean±SD)治療後16.80±5.80であった。術後2〜13ヶ月(平均9±3.44ヶ月)経過しているが、ブロック治療の必要がなく経過している患者が3名、不定期にブロック治療を受けることにより経過良好な患者が7名、脊髄刺激電極埋込み術を受けた患者1名。脊椎手術を受けた患者が1名、詳細不明が3名であった。この中の2患者で、癒着剥離術後に治療効果とともに知覚電流閾値に明らかな変化が認められた。 2)本研究から、腰椎疾患の治療としてエピドラスコピーの使用は有用であるが、神経根へ向けてのステロイドのターゲット注入に対する有用性は患者数も少なく明確ではない。また、現時点ではエピドラスコピーの仕様に限界があり、胸椎領域まで挿入する長さがないことから胸神経樓域へのターゲット療法は困難である。
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