2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571474
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
平井 圭一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60027092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 ひろき 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60278108)
小山 淳子 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60102109)
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Keywords | パラコート / 除草剤 / 急性毒性 / ミトコンドリア / 解毒作用 / チトクロムP450 / ミクロソーム / 電位依存性アニオンチャンネル |
Research Abstract |
除草剤パラコートは、重篤な肺線維症を引き起こし、パーキンソン病の危険因子の一つである。その急性細胞毒性発現機構と細胞内解毒機構について、過去の学説を覆し、新たな学説を提案する。パラコートは、肺、腎、副腎、中枢神経などのミトコンドリアNADH-キノンオキシドリダクターゼ_m(NQO_m)活性によってラジカルになり、活性酸素を生成してミトコンドリアを破壊し、組織を傷害することを発見した。これにはミトコンドリア外膜の分子量約500kDaの膜蛋白質複合体が関与し、サイトゾル側NADH依存性にパラコートを1電子還元する。複合体成分には膜透過ポアに関与する電位依存性アニオンチャンネル(VDAC)が含まれており、内膜側ポア因子のANTとシクロフィリンDがカップルしていた。プラスミド導入によってVDAC蛋白質を高発現させた細胞のミトコンドリアでは、パラコートによる活性酸素生成が増大し、抗VDAC抗体によって抑制され、パラコートによる急性細胞傷害機構にVDACの関与が明らかになった。 一方パラコートの毒性発現機構として、ミクロソームのphase I薬物代謝酵素系のNADPH-チトクロムP450リダクターゼ-チトクロムP450系が世界的に長く信じられてきた。しかし本研究によって、パラコートはサイトゾルでパラコートピリドンに代謝され、次いでこの系によって水酸化解毒されることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)