2004 Fiscal Year Annual Research Report
周術期の冠攣縮発生における自律神経活動と血小板凝集能の関与について
Project/Area Number |
14571478
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
渡邉 誠之 久留米大学, 医学部, 講師 (10201196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 信一 久留米大学, 医学部, 助手 (90258484)
原 将人 久留米大学, 医学部, 助手 (10330862)
平木 照之 久留米大学, 医学部, 助手 (30320237)
加納 龍彦 久留米大学, 医学部, 教授 (50040605)
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Keywords | 冠攣縮現象 / 心筋虚血 / 血小板凝集能 / 自律神経反応 / 心拍揺らぎ解析 / 圧受容体反射 / 経食道心臓超音波検査 |
Research Abstract |
周術期の心筋虚血の発生原因のひとつに冠動脈攣縮現象が上げられる。冠攣縮の発生原因はいまだに明らかでないが自立神経活動の変調や血小板過凝集反応の関与が強く疑われている。今回、虚血性心疾患でβ受容体遮断薬内服中の患者における麻酔導入期における自律神経反応の変化を心電図R-R間隔の揺らぎ解析(HF、LF、HF/LF)を用いて、圧受容体反射における副交感神経反応を調べるために、α刺激薬投与後の血圧上昇時における心拍数変化と心電図R-R間隔の揺らぎ解析のHF成分変化との相対関係を調べた。また、周術期における血小板凝集の変化を調べるために麻酔導入後、ヘパリン投与後、体外循環前後、プロタミン投与後における血小板凝集能をスクリーンフィルター式全血血小板凝集能(WBAアナライザー)、吸光度式血小板凝集能測定装置(MCN)、フローサイトメトリー式血小板凝集塊測定装置(PA20)を用いて測定を行った。ヘパリンープロタミン複合体による血小板凝集能抑制効果は血小板凝集塊増大の抑制によるものであり、血液凝集塊による冠血流障害に対して予防効果を持つことがわかった。次に心筋灌流測定のために心臓超音波画像および多次元アナログ情報収集ソフトの開発を行った。Windows XP上でLabView、IMAQを用いた(日本NI杜)。ワークステーションに多次元アナログ情報収集ボード(PCI-6031E)、画像採取ボード(PCI-1411)を用い、動画像収録と多アナログチャンネル収録ができた。また経食道超音波心臓画像内に関心領域(ROI)における閾値を設定した粒子解析を行えるソフトを開発した。経食道心電図誘導(回旋枝領域)胸部V5誘導(前下降枝領域)II誘導(右冠動脈領域)心電図ST変化を同時に計測することで、冠動脈三分枝領域における心電図ST変化と壁運動異常領域との相関関係を明確に示す、またこれまで検出困難であった回旋枝領域における心筋虚血の検出が出来るようになった。
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