2003 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経障害によりヒスタミンH1受容体を発現する感覚神経とニューロパチックペイン
Project/Area Number |
14571480
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Research Institution | Kansai Coll.of Oriental Med. |
Principal Investigator |
樫葉 均 関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (10185754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 稔 関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (20342230)
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Keywords | ヒスタミン / H1受容体 / 一次知覚ニューロン / ラット / モルモット / カプサイシン |
Research Abstract |
ヒスタミンの受容体はH1〜H4までの4種類の受容体が見つかっている。モルモットの一次感覚ニューロンにおけるH1受容体(H1R)の発現パターンをin situハイブリダイゼーション法により解析した。その結果、後根神経節や三叉神経節の約20%のニューロンがH1RmRNAを発現していた。これらのニューロンは興奮性の神経ペプチド(SP及びCGRP)を含有しておらず、カプサイシンにも感受性を示さなかったが、無髄神経のマーカーであるイソレクチンB4(IB4)に陽性を示した。一方、迷走神経下神経節では、H1RmRNAを発現するニューロンは認められなかった。これらの結果は、これまで知られているヒトやラットにおける結果と部分的に異なっていた。次に、ラットの感覚神経節におけるH1Rの発現パターンとそのmRNAの発現量を免疫組織化学法やRT-PCRを用いて検討した。ラットの後根神経節と三叉神経節において、H1Rに陽性を示すニューロンは25〜30%程度存在しており、これらのニューロンもまたIB4に陽性であった。後根神経節の連続切片を用いてSP及びTRPV1(カプサイシン受容体)との共存を検索したところ、H1R陽性ニューロンの一部はSPやTRPV1にも陽性を示した。迷走神経下神経節においても約20%の細胞がH1Rに陽性を示した。RT-PCR法により後根神経節におけるH1RmRNAの発現量を比較すると、モルモットにおけるH1RmRNAの発現量はGAPDHmRNAより多く、ラットのそれはGAPDHmRNAより少なかった。このようにH1Rの感覚神経における発現パターンや発現量はラットとモルモットで異なっていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kashiba H, Uchida Y, Senba E: "Distribution and colocalization of NGF and GDNF family ligand receptor mRNAs in dorsal root and nodose ganglion neurons of adult rats"Molecular Brain Research. 110. 52-62 (2003)
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[Publications] Uchida Y, Nishigori A, Takeda D, Ueda Y, Ohshima M, Kashiba H: "Electroacupuncture induces the expression of Fos in rat dorsal horn via capsaicin-insensitive afferents"Brain Research. 987. 136-140 (2003)
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[Publications] 樫葉 均, 仙波恵美子: "痛覚伝導路の可塑性と神経栄養因子"Clinical Neuroscience. 20. 1116-1118 (2002)
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[Publications] 仙波恵美子, 岡本圭一郎, 井辺弘樹, 樫葉 均: "慢性痛におけるヒスタミン・セロトニンの関与"脳機能の解明-生命科学の主潮流-(ガイア出版). 529-539 (2002)