2002 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるリガンドによらないアンドロゲンレセプターの活性化(前立腺癌再燃のメカニズムの解明)
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14571483
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
植田 健 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10223463)
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲンレセプター / 再燃 / サイトカイン / 転移 / シグナル伝達経路 / 共通欠失領域 / コファクター |
Research Abstract |
進行性前立腺癌患者に対する治療は、内因性アンドロゲンを除去する内分泌療法が主体であり、80%の患者が治療に反応するが2-3年の内に再燃する。このようにアンドロゲンに反応せず再燃を起こしホルモン抵抗性癌となる機序についてアンドロゲンレセプターとサイトカインを中心に基礎的検討を行ってきた。再燃癌においてアンドロゲンレセプターがアンドロゲン以外の生理活性物質により活性化を受ける経路を同定すれば、新たな治療薬の開発への応用できる可能性がある。 1)インターロイキン6(IL-6)がアンドロゲンレセプターを活性化することと、そのシグナルが2つのシグナル伝達経路、すなわちMAPキナーゼ系とSTAT3を介しARのアミノ末端に伝達されることを報告した。 2)L-6によるアンドロゲンレセプターへのシグナル伝達系においてをコファクターSRC1がアンドロゲンのみならずIL-6においてもARへの活性化を高めたこととSRC1とARがアンドロゲンとIL-6の有無に関わらず直接相互作用を行っていることを報告した。 3)分泌療法後の予後因子の一つとして前立腺癌患者のアンドロゲンレセプターのCAG数が関与している事を報告した。 4)行性前立腺癌患者の第7染色体長腕と第12染色体短腕にそれぞれ特定の共通欠失領域を同定し報告した。 5)ヒト第13染色体をラット前立腺癌細胞に導入した結果、癌細胞による肺転移転移を抑制することを同定し報告した。 以上について全て原著論文として発表済みである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ueda T, et al.: "Activation of the androgen receptor N-terminal domain by IL-6 via MAPK and STAT3 signal transduction pathway"J. Biol. Chem.. 277. 7076-7085 (2002)
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[Publications] Ueda T, et al.: "Ligand-independent activation of the androgen receptor by interleukin-6 and the role of the coactivator SRC-1a in prostate cancer cells"J. Biol. Chem.. 277. 38087-38094 (2002)
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[Publications] Suzuki H, et al.: "CAG polymorphic repeat lengths in androgen receptor gene among Japanese prostate cancer patients : potential predictor of prognosis after endocrine therapy"Prostate. 51. 219-224 (2002)
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[Publications] Kawana Y, et al.: "Loss of heterozygosity at 7q31.1 and 12p13-12 in advanced prostate cancer"Prostate. 53. 60-64 (2002)
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[Publications] Hosoki S, et al.: "Suppression of metastasis of rat prostate cancer by introduction of human chromosome 13"Asian J. Androl.. 4. 131-136 (2002)