2002 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲン受容体とエストロゲン応答遺伝子の前立腺肥大症・前立腺癌における役割
Project/Area Number |
14571485
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 悟 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50197141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40165626)
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90167487)
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
浦野 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 教務職員 (20334386)
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Keywords | 前立腺癌 / 前立腺肥大症 / エストロゲン受容体 / エストロゲン応答遺伝子 / EBAG9 / efp |
Research Abstract |
まず前立腺におけるエストロゲン受容体の発現を免疫組織染色法により検証た。ERαは正常前立腺ならびに癌組織ともに間質細胞に優位な発現を認めた。正常前立腺上皮では基底細胞に発現を認めたが、分泌細胞には明らかな発現を認めなかった。癌では低分化癌において時に有意な発現を見たが、一部であり、病理学的パラメーターとの相関はなかった。一方ERβは正常前立腺ならびに癌組織ともに上皮細胞に優位な発現を認めた。また前立腺癌ではwild-type ERβの発現が正常前立腺上皮細胞と比べ低下するのに対して、C-teminal splice variantであるERβcxの発現を認めた。wild-type ERβの発現低下とERβの発現増加はともにpoor cancer-specific survivalと強く相関した。エストロゲン応答遺伝子EBAG9は活性化T細胞のアポトーシスを誘導することが最近明らかにされたRCAS1遺伝子と同一であり、癌細胞に対する免疫細胞攻撃の回避に関与している可能性が示唆されているが、high Gleason score、リンパ節転移と有意に相関した発現を確認した。さらに同遺伝子発現とpoor cancer-specific survivalとの有意な相関が見られた。今後はstable transfectantを用いた癌細胞移植実験による解析を行う予定である。もりひとつのエストロゲン応答遺伝子efpは、若年正常前立腺に比べて前立腺肥大症において間質で際立った発現増加を認め、中年以降の間質を主体とした肥大症発生に関与している可能性が示唆された。今後は同遺伝子ノックアウトマウスによる解析を行う。
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Research Products
(1 results)