2002 Fiscal Year Annual Research Report
蓚酸および蓚酸カルシウム結晶による腎尿細管上皮細胞傷害とその抑制因子の検討
Project/Area Number |
14571499
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 修 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60273661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻畑 正雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30335343)
吉村 一宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20283757)
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Keywords | 蓚酸 / 蓚酸カルシウム結晶 / アポトーシス / LDH / クエン酸 / GAGS |
Research Abstract |
平成14年度に行った研究によって得られた新たな知見を以下に示す。 (1)細胞傷害(アポトーシス)の検出腎尿細管上皮培養細胞に蓚酸および蓚酸カルシウム結晶を暴露すると、細胞にアポトーシスを認めることが形態学的および分子生物学的に確認された。 (2)細胞障害の定量腎尿細管上皮培養細胞に蓚酸および蓚酸カルシウム結晶を暴露することにより細胞より産生されるLDHが増加し、細胞傷害の定量が可能であることが判明した。蓚酸のほうが蓚酸カルシウム結晶のほうが、細胞障害の程度は大きく、いずれの場合においても濃度および時間依存性に傷害の程度が増加することが判明した。 2.クエン酸、GAGs、fibronectin、HGF、EGFの細胞傷害抑制効果の検討 現時点においては、クエン酸、GAGs、fibronectinについて細胞傷害抑制効果を検討した。腎尿細管上皮培養細胞に蓚酸および蓚酸カルシウム結晶を暴露したあと、クエン酸、GAGs、fibronectinを添加することにより、細胞障害が抑制されることが判明した。 3.クエン酸とGAGs、fibronectin、HGF、EGFの相互作用の検討 クエン酸とGAGsの相互作用についての検討を行った。クエン酸およびGAGsを単独で投与するよりも併用で投与するほうが、明らかに細胞傷害抑制効果を認め、両者間に相互作用があると示唆された。
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