2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイを用いた尿路性器癌における制癌剤耐性遺伝子の同定と耐性機構の解明
Project/Area Number |
14571506
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 寛史 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20271108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 誠二 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40164107)
横溝 晃 九州大学, 大学病院, 助手 (60346781)
猪口 淳一 九州大学, 大学病院, 医員
平田 晃 九州大学, 大学病院, 医員
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Keywords | 膀胱癌 / シスプラチン / 抗癌剤耐性 / IP_3R1 / マイクロアレイ / 耐性遺伝子 / 抗癌剤 / 尿路性器癌 |
Research Abstract |
膀胱の移行上皮癌由来細胞株T24とそのシスプラチン耐性株T24/DDP10、同じくKK47とそのシスプラチン耐性株KK47/DDP20を用いて、各々cDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、親株に対してシスプラチン耐性株で2組に共通して発現が亢進している遺伝子はなかったものの、共通して発現が抑制されている5遺伝子を同定した。この5遺伝子の中で、Inositol 1,4,5-triphosphate(IP_3)receptor type1(IP_3R1)遺伝子に注目してさらに解析を進めた。IP_3R1は小胞体膜上に位置し細胞質内Ca濃度を調節するとともにアポトーシスを誘導する蛋白である。 シヌプラチン耐性株ではシスプラチン暴露にかかわらずIP_3R1遺伝子発現は恒常的にmRNAレベルでも蛋白レベルでも抑制されていた。親株ではシスプラチン暴露によりPARPの限定分解産物p85が発現しておりアポトーシスが誘導されていた。親株においてIP_3R1の発現を抑制した際のシスプラチン感受性について解析した。si-RNAを導入することにより親株のIP_3R1の発現を抑制すると、PARPの限定分解産物p85は有意に減少しており、MTSアッセイによる薬剤感受性試験ではシスプラチン感受性が低下していた。次に、シスプラチン耐性株においてIP_3R1を強発現させた際のシスプラチン感受性について解析した。耐性株であるT24/DDP10にIP_3R1を一過性強発現させシスプラチンに暴露させるとp85が増加した。また、MTSアッセイによる薬剤感受性試験ではシスプラチン感受性が亢進した。これらの結果はIP_3R1の発現抑制が、膀胱癌細胞株におけるシスプラチン耐性獲得に強く関与していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)