2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571508
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 助教授 (60219714)
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Keywords | 外尿道括約筋 / cDNA microarray / bFGF / サイトカイン / 増殖因子 / ストレス応答 |
Research Abstract |
[目的]ヒト外尿道括約筋細胞はbFGFによって増殖を促進されることを明らかにしてきたが、今回は血清除去ストレス及びbFGF刺激によるヒト外尿道括約筋細胞の遺伝子発現をcDNA microarray法で検討した。 [方法]1)インフォームド・コンセントの得られた前立腺全摘症例より錐体筋の一部を採取する。筋組織を細切してコラゲナーゼ処理を行なう。96穴プレートで骨格筋衛星細胞を培養し,Myf-5とMyoDの発現を免疫染色で検討し骨格筋系列の細胞であることを確認する。 2)ヒト外尿道括約筋細胞を無血清培地で培養しbFGFで刺激後、経時的にMagExtractorにてmRNAを抽出した。RT-PCR法にてビオチン標識cDNAを調整した。 3)ヒトの転写因子や各種サイトカイン、受容体等の632遺伝子をプロットしたarray filterに外尿道括約筋細胞から調整したcDNAをhybridizeし、chemiluminescence法にて信号強度を測定した。 [結果]1)ステロイド受容体のNur-related factor 1 (Nurr 1)のmRNA発現は無血清ストレスによって減少するが、bFGF刺激によって発現が約2倍に亢進した。 2)Growth Differentiation Factor-5 (GDF-5)の発現は血清除去によって亢進し、bFGF刺激でさらに発現が亢進した。3)ストレス応答蛋白質のHeme Oxygenase 1 (HO-1)はbFGF刺激の6時間後にmRNA発現が約3倍に増加した。4)bFGFやHGFなど他の増殖因子の発現に変化はみられなかった。 [考察]ヒト外尿道括約筋細胞は血清除去に対してストレス応答をするが、bFGFはストレス応答をさらに増強し、Nurr 1やGDF-5、HO-1の発現を亢進させて外尿道括約筋細胞の増殖を促進させることが示唆された。
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