2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による前立腺癌のアンドロゲン非依存性獲得メカニズムの解明
Project/Area Number |
14571518
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
頴川 晋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60160347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 志郎 北里大学, 医学部, 教授 (00051889)
前田 忠計 北里大学, 医学部, 教授 (90265728)
大石 正道 北里大学, 医学部, 講師 (40233027)
小寺 義男 北里大学, 医学部, 講師 (60265733)
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Keywords | プロテオーム / 前立腺癌 / アンドロゲン / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
われわれはアンドロゲン非依存性前立腺癌に発現するタンパク質をアガロース二次元電気泳動(agarose 2DE)法と質量分析法により解析した。通常の2DE法は一次元目の等電点電気泳動にアクリルアミドゲルを用いるが、agarose 2DE法は一次元目にアガロースゲルを用いる特殊な方法であり、高分子量タンパク質と塩基性タンパク質の解析に優れるという特徴をもつ。 われわれはagarose 2DE法を用いてアンドロゲン依存性(androgen dependent, AD)と非依存存性(androgen independent, AI)前立腺癌のタンパク質発現の相違について確認することに成功した。また、この前立腺癌のゲルマップ作成に伴い、われわれは324タンパク質スポットの同定を試み、295個(91.0%)の同定に成功した。このうち、分子量が80kDa以上のものを高分子量群、80kDa未満のものを低分子量群としてタンパク質を機能別に分類したところ、DNAの転写翻訳関連タンパク質が高分子量群の半数以上(54.8%)を占めているのに対し、低分子量群では同タンパク質は3分の1未満(29.1%)に過ぎなかった。 18個のタンパク質が、前立腺癌がADからAIへと変化するのに伴い発現量に変化を示した。このうちの5個、すなわち、antioxidant protein 2、superoxide dismutase 1、thioredoxin peroxidase、GTP-binding protein beta chain homolog、the ha1225 gene productは細胞を酸化ストレスから守り、アポトーシスに到るのを阻止する働きを持っている。このことから、酸化ストレスからの回避が前立腺癌アンドロゲン非依存性獲得メカニズムのキーワードになる可能性が示唆された。 また、今回の癌関連タンパク質のなかには前立腺癌との関連が報告されていない新たなバイオマーカー候補を発見した。
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Research Products
(5 results)