2003 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるLIFの病態生理学的意義の解明と新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
14571522
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80185371)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00213885)
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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Keywords | 前立腺癌 / LIF / 細胞増殖 |
Research Abstract |
前立腺癌培養細胞株であるPC3やJCA-1担癌ヌードマウスの血清中にleukemia inhibitory factor (LIF)活性が上昇していることを認めている。また、in vitroにおいてLIFを分泌しているJCA-1細胞をNFκB阻害剤存在下に培養したところ、培養上清中のLIF活性は104pg/mlから24時間後には51pg/mlへ約50%減少した。In vitroにてJCA-1やPC3、DU145細胞に対するhuman recombinant LIFの細胞障害活性を測定した。96 well plateに1x10(4)コの各細胞をまき、0.01,0.1,1,10 100ng/ml濃度のLIF存在下に培養し、クリスタルバイオレットを用いた吸光度測定法により細胞増殖活性を測定した。上記濃度のLIF存在下で24時間培養後に、JCA-1細胞数はコントロールに比べて102%,97%,102%,103%,105%であり、DU145は98%、92%,92%,97%,103%、PC3は99%,86%,87%,101%,98%であった。72時間後にはJCA1細胞は111%,114%,115%,102%,120%、DU145細胞は118%,118%,113%,113%,106%,PC3細胞は89%,97%,99%,97%,96%であり、これら前立腺癌細胞株に対してLIFはin vitroにおいて有意な細胞障害活性を示さなかった。これまでの報告ではin vitroにおいてLIFがautocrineあるいはparacrine growthに関与している可能性も示唆されており、研究者らの実験系におけるその検証ならびにNFκB阻害剤などの抗癌治療における有用性についても今後検討の余地があると思われる。
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